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竹中工務店 スライド免震工法を新たに開発 住宅から高層ビルまで幅広い施工が可能に
1997.04.21 11:06
竹中工務店では、超高層から戸建て住宅まで建物の種類や大小を問わずに免震が可能になる「スライド免震工法」を開発した。
これは、三菱製鋼及びTHKと共同開発したもの。2枚の鉄板の間にベアリングを用いた滑動体とレールを組み込んだ直線上にスライドする機構を持つ支持装置「ULS」を使用した装置。従来軽すぎて積層ゴムでは免震効果が得られなかった重さ数10トン程度の一戸建て住宅から、人工地盤まで柱脚部に引き抜き力を伴う大規模建造物や超高層建築、さらに軟弱地盤地域の建造物まで適用可能範囲が広い。
また、特殊な防錆効果により約100年の耐久性を維持。装置の支持荷重当たりの価格は積層ゴムより約2割程度高くなるが、大型化による装置台数の削減や超高層建物などの上部構造部材の低減などにより、建築費全体は従来とほぼ同じか、わずかのアップに抑えられる。個人住宅の免震構造化は装置1基の支持荷重が30トン程度の小型のものが6基あれば対応可能で、装置価格は1基当り30万円程度。現在4件の超高層プロジェクトに採用を検討中だ。