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鹿島と共同でJTが東品川4丁目を開発 約8万平米の所有地に複合施設を建設 商業施設はダイエー、住居は住都公団が参画
1997.04.21 11:48
日本たばこ産業(JT・東京都港区・水野勝社長)では、鹿島建設と共同で品川区東品川の所有地、約8万3000平米を共同開発することを明らかにした。同社では平成17年完成を目処に業務、商業、住宅の複合施設を建設する予定だ。この大規模開発の概要を紹介する。
JTと鹿島が共同で開発する土地は、品川区東品川4丁目。JTが約7万6100平米、化今が約6900平米をそれぞれ隣接して所有しており、第一種市街地再開発事業(個人施行)として実施するもの。
工事は2期に分け、第1期(約6万300平米)は平成13年(一部平成15年)、第2期(約2万2700平米)は平成17年を目処に開発する。総事業費はそれぞれ約1000億円、約500億円を予定しているという。
この開発は、「杜のみどりの中の街」をコンセプトとし、「業務施設(中央)」「商業施設(北東側)」「住宅施設(南側)」の3つに区画する。
第一期開発には、高さ100m級のオフィスビル2棟(延床面積約18万8000平米)のほか、商業施設1棟、住宅施設2棟、第2期開発では、オフィスビル2棟(延床面積約9万5500平米)、ホテル1棟の建設を計画している。また、街づくりの一環として交通広場や区画道路、公園などの公共施設も整備していく方針だ。
商業施設に関しては現在、同地区内でグループ会社のKOUS(会員制ショッピングセンター)が営業を行っている関係からダイエーが核となり、住宅施設は、品川区の住宅政策により、住宅・都市整備公団の参画を検討している。
同開発地域の東側中央部には、東京臨海高速鉄道が進めている臨海副都心線新駅「東品川駅(仮称)」が設置される予定。そのため、東京都と品川区では以前より、この開業に合わせた周辺地域開発を検討していた。この新駅が開通すれば、隣接する既存の京浜急行線「青物横丁駅」と合わせ、都心部への同線が完成することになり、「住みよい街づくりに大いに貢献できると考えている」(JT広報部)。
今後、周辺住民への折衝や環境アセスメント党の事務手続きを経て本格的な建設に着手していく。着工は今年度中の予定。
この敷地は、もともとJTの品川工場跡地で、その後、同社が2年前に本社ビルを建て替える際の仮オフィスとして使用していたもの。昭和60年の民営化以降、合理化により全国のたばこ工場を34ヵ所から25ヵ所にまで削減、この遊休地の開発を順次進めている。
現在、商業施設の建設を中心に岡山、山形、秦野、鳥栖などで実施しているが、「当社としてもこのような大規模複合開発を行うのは初めて」(同社広報部)になる。