不動産トピックス

快刀乱麻

1997.12.01 14:01

▼東京証券取引のある街兜町では、最近居酒屋の閉店が相次いでいる。今年後半にかけ、三洋や山一証券と、中堅・大手が倒れた証券業界。これらの影響から1階店舗の撤退は勿論だが、その波はなんと居酒屋にも及んでいるというのだ。その背景は、言わずと知れた景気低迷と、1万6000円前後に張り付いて離れない、株式相場の低調による。▼バブル景気に沸いた頃、証券マンの御用達は、銀座・六本木等の高級クラブであった。そしてバブルが泡と消えた今、証券マンは居酒屋に立ち寄る事さえ少なくなり、家へ直行。こうした状況から、居酒屋も経営が立ち行かなくなったと言う訳だ▼ある証券会社の幹部によれば、「ボーナスはバブル時の10分の1」。当然ながら給料もかなりの減額はいなめない。特に日本の証券会社では、その影響は多大で、悲惨なケースも報告されている。無論、ほとんどの就業者は、懸命に働いているのだろうが、トップの責任が会社全体に与える大きさは計り知れない。▼ビル業界も、何も無関係では無い。バブル崩壊がもたらした付けは、ビルオーナーの台所を今だに直撃しているのだから。ある仲介会社トップが、98年はプロが評価される年になるのではと言っていたが、まさに虎年は、正念場の年となりそうだ。




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