不動産トピックス
快刀乱麻
1997.10.21 14:04
▼経営難に陥っていた、準大手証券会社の三洋証券が会社更生法の適用を申請し、事実上倒産した。負債総額は、3700億円以上に上ると見られる。同証券が倒産する引き金になったのは、生命保険会社10社あまりから借り入れていた、市場ローンの返済期限の延長が出来ず、自己資本比率が、120%を割った為。こうした、上場証券会社が、会社更生法の適用を受けて、倒産するのは、初めてのケース。しかし、日本版ビッグバンを控えて、多くの証券、金融機関が淘汰されるのではとの話しも有り、顧客側にとっては不安な日々が続きそうだ▼三洋証券は、1971年に総合証券会社となり、73年に東京証券取引所に上場している業界7位の準大手証券会社だ。しかし、その前身は古く、1910年、明治43年創業の株式商「土屋鋭太郎商店」にさかのぼる。同社の積極的な営業攻勢が目立つようになったのは、80年代後半からで、国際証券との競争は特に熾烈を極めたと言われている。しかし、バブル崩壊後は、積極展開が裏目となり、系列ノンバンク等の抱えた不良債権が経営を圧迫していったようだ。▼折しも、証券・金融業界では、総会屋への利益供与事件など、総会屋スキャンダルに揺れていた。また、こうしたスキャンダルは、財閥系トップ企業まで広がりを見せている。いつまで続くのか、上場企業の信用失墜。たまには、明るい話題で、紙面を飾ってほしいものだ。