不動産トピックス

快刀乱麻

1997.09.21 14:05

▼東京都中央区築地。いわずと知られ、食の台所である、”中央卸売り市場”の再整備計画が本格化しそうだ。東京都では、老朽化が激しい建物の建て替えや、手狭になった同市場の機能をアップさせる為、昭和60年より架設駐車場などを稼働させたまま、少しづつ改築する方針を進めて来た。また当初は、水産市場と青果市場とを分離させて、隅田川沿いには、賃貸ビルを建設、オフィス棟として運営する計画だった。▼しかし、バブル崩壊により、オフィス需要が見込めない賃貸ビルの計画は、見直しを迫られる事となり、計画の変更を進めていたもの。東京都が改めてまとめる、基本構想案では賃貸ビルは建設を見送り、水産と青果市場を別々のビルに収容する計画がまとめられている。来年度からは、実施計画などを経て、順次市場全体の建設工事を進める。しかし、工事着手から完成までは、10年以上の期間がかかる事もあり、移転論議などが、再燃する可能性も含んでいるようだ。▼こうした状況を顕すかのように 、水産官学の専門家集団である「乃木坂研究会」等では、晴海または、豊洲地区へ移転する方が、現実的で、未来型輸送システムを前提に考えれば、築地の再開発はコスト高になると提言している。汐留、晴海の再開発にはさまれる格好となった築地地区。事業の行方は、まだ紆余曲折がありそうだ。




週刊不動産経営編集部  YouTube