不動産トピックス

快刀乱麻

1997.08.21 14:15

▼建設省では都心の土地の有効利用や促進を目的に、「容積率」の売買制度導入の為、建築基準法を改正し、98年度からの実施を目指す事になった。建築基準法では、12種類の用途地域ごとに、ビルなどの容積率を制限している。つまり、数字が大きければ大きい程、大規模な建築物が建てられるが、東京都心部では400%の指定地域でも、その容積率の半分程度しか活用されていない事も少なくないと言う。そこで、建設省では、米国などでは一般化している容積率の売買制度を導入し、土地利用の促進を図ろうと言うものだ。▼容積率の売買とは、関係権利用者の全員が合意した場合、複数の敷地を、一つの敷地とみなして、容積率を移転出来る仕組み。これにより、例えば400%指定地域で200%しか利用していない場合、残る200%を売却出来る。また、これらの容積率売買により、低利用地に高層ビルを建てられる可能性も生まれる。▼だが、一方では、容積率を売買した土地では、今後高度利用のできない敷地となる為、土地の地価が下落する。こうした二次的な効果により、土地売買も、活発化すると、建設省は期待しているようだ。▼しかし、国が売買価格の基準値を示さなければ、促進は難しい枠組みになりかねかねないとの見方も有り、細部にわたり詰めをする必要があるだろう。いずれにしろ、個人経営者にも利用しやすいシステムにしてもらいたいものだ。




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