不動産トピックス

快刀乱麻

1997.08.01 14:16

▼日本長期信用と、スイス三大銀行の一つである、スイス銀行の業務提携の合意が先頃発表された。これらは、日本の金融市場での、日本版ビックバン(金融大改革)に向けての動きで、最近特に加速している。今回の提携では、経営基盤など、資本力を強化したい日本長期信用銀行と、日本市場での本格的な事業展開を図りたい、スイス銀行(SBC)との、利害が一致した為、実現されたと見られている。また株式を相互に持ち合う事で、互いに役員なども派遣、包括的な資本提携なども行う。これらの提携により、今後は合併で証券会社、投資顧問なども設立する予定で、共同で投資銀行業務も展開されそうだ。▼こうした、日本版ビックバンを控えた、日本の金融機関の経営戦略への新たな胎動は特に顕在化している。まず、4月には、日本債券信用銀行が、米国の大手銀行、バンカートラストと株式の持ち合いなど資本提携。債権流動化など共同で事業を推進。6月には、北海道拓殖銀行が、英国の大手銀行、バークレイズと、資産の証券化などの分野で業務提携。さらに、生保最大手の日本生命保険でも、米国大手投信・投資顧問会社と、金融商品の共同開発を行うなど、続々生き残りを賭けて、外資との提携をおこなっている。▼不動産業界でも当然の事ながら、影響を受けるのは必至。自己資本の強化が急務の大手会社も、今後新たな対応が迫られる。




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