不動産トピックス

快刀乱麻

1997.06.21 14:19

▼裸一貫から身を起こし一時期には、総資産一兆円とも言われた、バブルの寵児、麻布建物の渡辺喜太郎社長に、東京地検の捜査が及ぶ事となった。麻布建物が急速にその資産を拡大した手法は、まさにバブル経済での錬金術による。つまり、土地を担保に金融機関から多額の融資を受け、その資金を大規模な事業に投資する、いわゆるバブル商法と言われるものだった。その麻布建物のトップに、旧住宅金融専門会社(住専)からの融資を巡り、いよいよ刑事責任が追求される事になる。住専からの大口融資先の代表格であった、末野興産、桃源社などでは、既にトップに責任が及んでおり、バブルの寵児と持て囃された、ワンマン社長達は、バブル経済の崩壊とともに、その責任を問われる事となった。▼勿論、こうした住専を巡る、無謀とも思えた融資を重ねた責任は、住専各社、母体となる金融機関や、銀行も問われる事は言う迄もない。しかし、現在では住専問題を引き起こした原因など、真相解明にまでは至っておらず、核心部での責任の所在は、わからないままだ。▼一方大手不動産会社でも、バブル処理が急ピッチで進んでいるが、そのツメ跡はあまりに大きい。大規模な損失計上は峠を越したとの見方もあるが、企業としての有り方を問われるのは、これからだろう。




週刊不動産経営編集部  YouTube