不動産トピックス

快刀乱麻

1997.04.21 14:22

▼証券業界では、野村証券の利益供与事件で経営陣が刷新されるなど、激震が続いており、専務以上9人もの退任を招く事になった。同事件を巡っては、これまで、当たり前のように行われていた、「悪しき慣習が、ここに来て表沙汰になっただけ」と、業界関係者には、冷静にとらえている人たちも少なく無いと聞く。▼しかし、世間一般の見方は、冷めた見方をする業界関係者とは違い、厳しい目を向けざるを得ない。これまでは得てして、証券業界は不透明な部分が多く、利益隠しや賄賂などに絡む事が多いと、マイナスなイメージが定着している。▼また、今回の野村の事件では、、当事者だけで無く、既に、内外の機関投資家の発注停止など、利益面でも大きな影響が出始め、ユーザー側も巻き込まれた形だ。▼とかく、トラブル業界といわれる証券業界だが、この際膿は全て出し、業界全体にも好影響が出るような体質改善を図ってもらいたい。▼ビル業界も、今回の件に関しては、静観していられる状態では無いだろう。不動産活性化には、株式などの運用益は無くてはならない資金調達法の一つ。早期の解決で、不動産業界へも明るい材料を提供してもらいたいものだ。




週刊不動産経営編集部  YouTube