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山崎製パンが三井不動よりビルを購入 売買価格は124億円強 約14億円掛け改装後秋には移転へ
1997.04.01 14:56
山崎製パンでは先頃、三井不動産より、岩本町三井ビルディングを購入し、自社で使用すると発表した。業績好調企業では、経費節減対策から自社ビル買いが加速しており、今後も続きそうな様相。そこで、同社のケースをレポートする。
山崎製パン(本社東京都千代田区、飯島延浩社長)では、このたび千代田区岩本町に建つ岩本町三井ビルディングを、三井不動産より購入した。売買価格は、124億3千万円。1月31日に契約を結び、3月31日に引き渡しが行われた。
「当社では、本社として使用しているこのビルには、昭和48年の竣工当初より入居しており、業務の拡大で、事務所スペースとしては手狭になってしまいました。結果、本社機能の一部を含め、関連のグループ会社の事務所は、周辺部10ヶ所のビルに分散しており、業務効率が悪くなっています。そこで、経費節減の意味からも、集約移転を以前より考えていた訳です」(山崎製パン広報課課長・星野哲也氏)。こうした背景のもと、同社では、今年には設立50周年を迎えるに当たり、賃貸を踏まえた手頃なビルへの移転計画を進めていたもの。
「三井不動産側からは、去年の暮れからビル売却への打診があり、今年に入って一気に進展した」と星野課長が話すように、これまで、同社と三井不動産との間には、ほとんど取引が無く、短期間での売買契約となったのは、三井不動産側の事情によるようだ。今後同ビルはヤマザキ岩本町ビルと名称を変え、山崎製パンの本社として使用される。移転時期は、今年の10月以降になる見込みで、現在、約13億5千万円のリニューアル(移転費用も含む)費用を計上し、改装している最中。同社が購入した岩本町三井ビルディングは、山崎製パンが現在入居している東京建物岩本町ビルとは目と鼻程の距離。こうした要因が移転の決め手になっているようだ。