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初期投資ゼロで省エネシステム提案 日本総研中心に7~8社が参加 5月に新会社設立し本格展開

1997.04.01 15:00

 住友銀行系シンクタンクの日本総合研究所(東京都千代田区)では、オフィスビルにおける省エネルギーサービス事業を本格的に展開する。この5月にも7~8社と共同で新会社を発足させ、当初は、既存ビルを中心にコストの削減提案を行っていく方針だ。この事業概要を紹介する。
 日本総研が中心となり設立する新会社の名称はファーストesco(フェスコ=Fesco)。5月末日に会社組織として活動する。5月末日に会社組織として活動する。参加企業は石川島播磨重工業、横河電機、朝日工業など大手メーカー7~8社。各社のtん当社をイントラネットで結ぶバーチャル・コーポレーション(仮想企業)として経営していくユニークな方式を採用している。
 同社は、主に10年以上の経年ビルを中心に、省エネ対策プランを提案していく。
 このサービスは、ビルの簡易調査、専門診断、プロジェクトの実行、アフターケアという一貫した「ターンキーサービス」によりプロジェクトを遂行していくもの。
 まず「簡易調査」では、ビルのエネルギー利用の分析、評価をレポートとして作成し、プロジェクトを提案、「専門診断」では、実際に削減可能なエネルギー量やコストを算出する。その後、そのビルに合った省エネ方式を施工していく訳だ。
 同サービスの大きな特徴は、システム導入時のイニシャルコストの必要がないこと。これは、機器等にかかる費用を一旦同社が買い上げ、貸し出すことで、ユーザー側から一定期間のサービス料として徴収する。また、機器システムを導入する際、予想されるコスト削減額を保証することも同システムの大きな特徴となっている。
 同社ではこのシステムにより、年間15~20%のコスト削減を目標に提案していく方針。既に10件以上の案件があるという。
 「当社では10年以上の経年ビルなら20%程の省エネが可能と考えています。オーナーに対し、よりよい提案ができればと考えています」(Fesco事務局・筒見憲三氏)。




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