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エルテル 公道を挟むビル間で利用 ランニングコスト低減の無線LAN装置
1997.03.21 16:27
エルテル(埼玉県大宮市)は、公道を挟んだビル間で利用出来る無線LAN装置「OPLAN-LONG」を開発し2月から販売を始めている。価格は100メートル用でワンセット100万円。200メートル用で250万円。
「従来、ビル間の社内LANは、有線で行っており、NTTによる回線敷設が必要でした。1.5メートル離れたビルに引いたケースで、回線使用料を含めて年間約400万円のコストを必要とします。しかし、当社の製品を使用すれば最大で200メートルの距離を飛ばすことが可能で、回線使用料は必要ありません。約半年間でイニシャルコストの回収ができます」と太田行健社長。
同社は赤外線を利用した光空間伝送装置の開発を進めるベンチャー企業。設立は92年。売り上げの93%を開発費に廻している開発型企業だ。今回開発した製品は、高さ21センチ、横幅35センチ、奥行き12センチで、装置二つを一組として使う。ビルの室内に設置し、ガラス越しにビーム式の赤外線信号を送信する。無線のため配線の新設が必要なく、引越などのビル移転も簡便化する。初年度は50セットの販売を目指す。
また、同社では社内のパソコンを赤外線伝送装置でネットし、コードレスでLANを構築するシステムも開発している。懐中電灯の光のように拡がって発せられる拡散方式なので、直線的位置にシステムが相互に対応していなくても通信が可能だ。