週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

横浜市再開発ビルテナント一般公募 賃料1万1000円、共益費5500円 買い手つかず、賃貸で資金回収図る

1997.02.01 17:09

 横浜市上大岡で着々と竣工に近づいている再開発ビル「ゆめおおおかオフィス」。これまで市では、運営方法を模索していたが、1月22日に賃貸ビルとしてテナントを一般公募することを発表した。
 横浜市は、港南区上大岡で再開発を目指しているビル「ゆめおおおかオフィス」のテナント募集を一般公募する事に決定した。
 募集するのは事務所フロア14階から23階までと、飲食店フロア24階。事務所フロアはワンフロア専有面積約312坪で8分割可能。いずれの階も坪賃料1万1000円、共益費5500円。保証金12ヵ月。飲食店フロアは約230坪、ワンフロア一括貸しで、応募企業による入札などの公正な方法で決定する。賃料設定は、「周囲のビルへの影響を考慮し、相場で最も高いと思われる額にした」と横浜市都市計画局開発事業調整課・仲原正治課長補佐は語る。
 竣工は今年3月。入居は4月1日より。3月7日まで応募を受け付け、3月下旬に賃貸契約を結ぶ。企業説明会は、1月24日、2月12日、3月26日を予定している。区画がすべて埋まらない場合は、再度募集し6月中旬に契約する予定だ。
 第1回目の説明会には約40社が参加し、うち飲食店希望は3社。「予想を上回る数で、会場内の座席を新しく設けなければならないほど」(仲原課長補佐)。参加企業の規模は、飲食店希望が中堅企業で、事務所は著名な企業が目立った。
 このオフィスビルは当初、フロア単位の分譲を予定していた。しかし買い手がつかないため、賃貸によって建設資金の一部を回収しながら、分譲希望者を待つことにした。しかし、全フロアが埋まっても賃貸収入は年5億円程度。市がビル建設のために発行した519億円の市債の償還原資を賄うにはほど遠い。
 また横浜市は説明会の質疑応答において、「ゆめおおおかオフィスの入居は4月1日からだが賃貸契約の解約予告が6ヵ月前ということを考慮し、入居希望テナントは入居予定日を報告すればその間の賃料は必要ない」と発表している。




週刊不動産経営編集部  YouTube