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オフィス店舗複合の「町田トーセイビル」 町田では久しぶりの新築オフィス供給

2025.03.10 11:43
不動産の再生・開発・賃貸事業やファンド・コンサルティング事業などを手掛けるトーセイ(東京都港区)は、先月末にオフィス・店舗の複合ビル「町田トーセイビル」を開発した。
同ビルはJR横浜線・小田急線「町田」駅から徒歩3分、町田市森野1丁目の五差路角地に立地。S造・地上5階建て。延床面積2337・26㎡、敷地面積858・45㎡。機械式駐車場2台と身障者用の駐車場1台を用意した。1階はスケルトンの店舗区画で、「1F A」と「1F B」の2区画。Aは198・03㎡(59・90坪)で、多少大きいBは227・44㎡(68・80坪)。飲食・物販をはじめ、来店型のサービス店舗や美容クリニック、ネイルサロンなど多様な出店需要に応えることができる。駅近くの五差路角地からアクセス性と視認性に恵まれるため、テナントニーズは高い。
一方2~5階はオフィス区画。2階は525・20㎡(158・81坪)。3階は512・80㎡(155・12坪)。4階は多少小ぶりな299・54㎡(90・61坪)。5階はさらに小規模サイズとなり、121・26㎡(36・68坪)。
町田エリアでは久しぶりの新築オフィスの供給となり、1フロア150坪以上のオフィスも珍しいことから、スペック改善を視野に入れた大手企業の移転需要や近隣に散在している支店・営業所の集約なども見込まれる。
従前は同地にフィットネスジムの入居したテナントビルが建っていた。同地取得後に社内ではマンションの開発も検討されたが、場所が商業近接エリアだったこともあり、オフィスと店舗複合のテナントビルを計画。また町田エリアは築年数の経過したオフィスビルでも稼働率は良好。エリアの賃料相場も調べた結果、想定より高く貸していることが分かった。
他の物件では行政の関連組織や第3セクターなども入居。町田市役所も新しくなり、人の往来も増えることが予想された。オフィスと店舗の双方で十分勝算があることが見込めたため、マンションではなくテナントビルを選択した。
アセットソリューション第3本部の上野裕二氏は「『町田トーセイビル』は、環境認証制度の『ZEB Ready』を取得予定です。当社グループではサステナビリティに配慮したESG経営を重要事項と認識しており、認証取得に至りました。また物件売却も視野に入れた場合、国内の機関投資家やリートのみならず、環境認証取得の有無を重要視している外資系企業や海外の投資家層なども対象となるため、出口戦略も見据えて取り組みました」と語った。まずは満室稼働を目指し、テナントリーシングに注力する。