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東急百貨店跡地がホテル・レジ・商業を擁する文化複合拠点に「渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト」着工

2025.03.17 11:41
東急(東京都渋谷区)、L Catterton Real Estate(東京都港区)、東急百貨店(東京都渋谷区)は11日、東京都渋谷区で「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」を着工した。竣工は2029年度を予定している。
「Shibuya Upper West Project」の計画地は渋谷区道玄坂の東急百貨店本店跡地。渋谷スクランブル交差点を中心とする「渋谷」駅周辺と高級住宅地・松濤との結節点にあたるエリアに位置する。
同プロジェクトは地上34階地下4階建ての複合施設を建設するもので、隣接する文化施設「Bunkamura」との合計敷地面積は約1万3675㎡、同じく合計延床面積は約11万9000㎡になる。新たに建設するビルのキーコンセプトは「Tokyo’s Urban Retreat」。ホテル、賃貸レジデンス、商業施設などを整備し、隣接する文化施設「Bunkamura」内のミュージアム「Bunkamuraザ・ミュージアム」もビル内に移転する。
建設するビルの18~33階は、都市型居住を実現する賃貸レジデンス。8~17階には日本初進出となるスワイヤー・ホテルズ(香港)のスモールラグジュアリーホテルブランド「The House Collective(ザ・ハウス・コレクティブ)」が入り、地下1階~地上6階は洗練されたライフスタイルを提案する商業施設とする。
低層階の施設の中心には吹き抜けのアトリウム空間「The Hive(ザ・ハイブ)」を設置。低層部の屋上(6~8階部分)には緑豊かな空間「The Sanctuary(ザ・サンクチュアリ)」を用意する。
新たな「Bunkamuraザ・ミュージアム」は7階を占有する。ビル内の他施設とシームレスにつながる開かれたミュージアム空間が特徴で、展示スペースは複数の展示室で構成する。デザインはノルウェーの建築・デザイン事務所「Snohetta(スノヘッタ)」が担当。展示面積は約1000㎡、展示室の天井高は最大約6mを計画している。移転による展示面積の拡大と最新の展示設備の導入により、幅広い分野の大型展覧会の開催が可能という。なお、隣接する「Bunkamura」は一部を除き休館中で、新たなビルのオープンとともにリニューアルオープンする予定としている。
環境対策にも配慮し、環境とサステナビリティに配慮した国際認証などの取得を目指す。また、建設現場の仮囲いでは苔を活用した壁面緑化を実施するなど、SDGsの達成に向けた取り組みを行う。