週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

内幸町に延床約29万㎡の大規模複合ビル 日比谷公園に隣接した3地区で構成される複合再開発

2025.04.07 11:35

 第一生命保険(東京都千代田区)、中央日本土地建物(東京都千代田区)、東京センチュリー(東京都千代田区)、東京電力パワーグリッド(東京都千代田区)と東電不動産(東京都中央区)が出資するTF内幸町特定目的会社は、共同して推進している「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地再開発事業」を着工した。竣工は2029年3月を予定している。
 本事業は、日比谷公園に隣接した北・中・南の3地区からなる「内幸町一丁目街区」で「南地区」に延床面積約29万㎡の大規模複合ビル「(仮称)サウスタワー」等を整備するもの。
 内幸町地区は大手町・丸の内・有楽町、銀座、霞が関、虎ノ門・新橋といった日本有数のオフィス・商業・官庁街の結節点に位置する。
 同ビルは敷地面積約1・9ha、延床面積約29万㎡、建物構造は鉄骨造(地上)および鉄骨鉄筋コンクリート造(地下)で、規模は地上46階地下3階建て。
 タワー棟の11~44階には総貸床面積約15万㎡、基準階面積約1400坪の無柱オフィス空間を整備。また個室タイプからフリーアドレスのコワーキングまでニーズに合わせたワークスペース併設のオフィスサポートエリアを設置・導入する予定。
 1~8階にはウェルネス促進施設、ホテル、商業を整備し、日比谷・内幸町エリアで、平日・休日、昼夜問わず恒常的な賑わいを創出する。また中地区と連携して、日比谷通り側には明治時代から続く歴史的な高さ約31mの表情線を延伸した「31m基壇部上広場」を整備し、周辺地域の回遊性を高める。オープンスペースや植栽を配し、皇居・日比谷公園から続く緑豊かな環境を同街区に広げる。
 タワー棟では「WELL Core」予備認証を取得。竣工後には最高評価「プラチナ」ランクの取得を目指す。また「CASBEEウェルネスオフィス評価認証」の最高評価である「Sクラス」を取得済み。
 環境対策としてはタワー棟でエアーフローウィンドウ等の省エネルギー技術を導入することにより、「BELS」のオフィス・商業・ホテル等を含めた建築物全体評価で、最高ランクである5つ星および「ZEB Ready」認証を取得する予定。なお、高さ200m超かつ延床面積29万㎡規模の超高層大規模複合用途ビルとして全体評価での「ZEB Ready」認証の取得は日本初となる。
 タワー棟のスパンドレル部の外壁側内部には世界初の取り組みとしてフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置する。そのほか、都営三田線「内幸町」駅との地下接続通路とJR各線・東京メトロ銀座線「新橋」駅へ続く地下接続通路を整備する。また各駅へ直結する通路とタワー棟等をつなぎ、南地区の地上地下の結節点となる空間かつ同街区の玄関口としての機能も果たす「(仮称)アクセスコア」を整備する。




週刊不動産経営編集部  YouTube