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MATSURI TECHNOLOGIES 民泊管理ツール「Syn.m2m」展開

2017.02.20 17:11

メッセージの返信効率化から管理の最適化まで
 新法制定が間近に控えて、民泊に対し多くの不動産業者が注目をしている。複数物件の運用を考えたとき、欠かせないのが24時間来るメール返信への対応だ。
 matsuri technologies(東京都豊島区)が昨年12月よりサービスインした民泊管理ソフト「Syn.m2m」は多くの支持を得て、流通総額2億円超、導入物件数は1000物件を超えていて、CEOの吉田圭汰氏は「同様のサービスを提供しているシステムでは最大級では」と自負する。
 システム開発事業者として昨年8月に産声をあげた同社。「Syn.m2m」リリース以前にも200物件超のメール返信代行を行うなかで、現在の民泊運用に関してのニーズとノウハウをつかんできた。
 「管理物件数が多くなるごとにつれて、メール返信コストは膨大になっていきます。最近ではシステム化している事例も、大手民泊代行会社など多くなってきましたが、人海戦術に頼ることも少なくありません。『Syn.m2m』では定型メッセージも多くの種類を用意していて、簡易的な自動返信ではなく返信メッセージとして有効なものをゲストに送信することができます」(吉田氏)
 民泊プラットフォーム上では物件評価の基準のひとつにメール返信のスピードが挙げられる。この評価をよくすることが物件をトップページに載せるための策となるため、いずれの企業も「一時間以内」などの目標を掲げる。が、一方で「とりあえず返信しよう」というものも多く、"Thanks"など簡易的なものも少なくない。吉田氏もかつての経験を振り返り「分単位、秒単位でメールが来るなかで一語一語打っていたら到底追い付けない」と話す。だからこそ、多くの人員を雇うことで対応してきたのだが、状況は変わりつつある。
 「民泊の競争が激化するなかで、メール返信などでかかるコストを抑えたいというのが本音です。浮いたコストでゲストへのサービスの強化などを行いたいところでしょう。今後、この流れはさらに強くなっていきます。当社の提供しているサービスは新法以後、更に参入が多くなる民泊市場での効率化を図る上で欠かせないツールになるのではないかと考えています」(吉田氏)
 「Syn.m2m」では自動メッセージ機能を核として、複数アカウント一括管理、予約状況など返信画面での物件表示機能などの他に、清掃管理機能や複数プラットフォームへの対応を今後2月下旬までに実装していく予定。
 「訪日観光客が予想以上の伸びを示すなかで、民泊は日本の観光業界にとって必要不可欠なインフラになっていくことが予想されます。更なるホストの増加、物件数の増加が見込まれるでしょう。それらの民泊運営でメッセージの返信漏れなどのミスを無くし、ホスト、ゲスト双方にとって良好な環境づくりに貢献していきたいと思います」(吉田氏)
 多くの物件数を有するオーナーなどは見逃せないツールだ。




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