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クラウドリアルティ リノベると提携を発表
2017.01.02 14:21
国内第1号ファンドは早ければ今月にも
クラウドファンディングプラットフォーム「Crowd Realty」をオープンしたクラウドリアルティ(東京都千代田区)は先月19日、中古マンションのリノベーションサービス「リノベる。」を運営するリノベる(東京都渋谷区)と業務提携したことを発表した。今回の提携でリノベーションを行う中古マンションのクラウドファンディング型不動産ファンドをスタートさせる。
「Crowd Realty」は先月1日にオープン。国内外の案件を取り扱う予定で、海外に関しては既に北ヨーロッパのエストニアにおいて不動産担保ローンプロジェクトを運用開始している。代表取締役の鬼頭武嗣氏は「今回の提携により国内第1号案件の目処がつきました」と話す。出資募集と同時期に現在はβ版のサービスを正式版に移行させる考えだ。
鬼頭氏は今回の提携のメリットについて次のように語る。
「当社のサービスでは区分物件から1棟の物件まで幅広く対応できます。今回の提携により不動産の再販事業と同様の投資効果を投資家に提供できるファンドの組成に取り組んでいきます。このファンドでは運用開始から最終的な売却まで半年ほどの期間で行うことができるのも一つのメリットです。また、リノベる側にとってもバランスシート上の在庫を抱えずに事業展開を行っていくことが可能となります」
クラウドリアルティにとって国内での提携先を増やすとともに、様々な不動産案件の一次情報を受け取れる体制をつくることが直近の目標。鬼頭氏は「将来的には10億、100億の事業用不動産の資金調達にも対応できる体制を整えていきたい。そのためにもまずはひとつひとつのプロジェクトで着実に投資家から資金調達を行い、プラットフォームとしての規模を拡大していくことで起案者・発行体からの信頼を勝ち得ていきたい」と話す。
従来のレンディング型では匿名の案件に資金を貸し付けるだけとなっていたが、クラウドリアルティが提供するエクイティ型であればプロジェクト内容も開示される。鬼頭氏は「様々なファイナンスのニーズに合わせて商品をオーダーメイドで提供していきたい」と意気込みを語る。投資家・事業会社にとってこの新しい不動産投資型クラウドファンディングは活用可能性が高そうだ。