週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
小規模ビルの一棟貸しでスタートアップ支援
2019.03.11 17:41
古ビル再生と空室問題解消を後押しする業界初のサービス
都内で45棟以上のシェアオフィスやオフィスの企画・設計、運営を行っているリアルゲイト(東京都港区)は、ビル一棟を自由にカスタマイズできる「オーダーメイドビルディング賃貸事業」のサービス提供を4月より開始する。このサービスは、経年劣化により不動産価値が下がるなど、競争力が低下した300坪未満の小規模ビルを同社が一括で借り上げ、一定の工事を行った後にスタートアップ企業向けに再賃貸するもの。ビルオーナーは、長期間安定的な収益を確保することができ、スタートアップ企業はオフィス空間の内装だけではなく屋上や外観の変更も行うことが可能。また、ビルの命名権も有することができるため、自社のアイデンティティをオフィス空間へ自由に反映することで、働き方改革や採用力強化を実現する。
スタートアップ企業にとって、これまではシェアオフィスに入居することが一定の差別化となっていたが、昨今ではシェアオフィスが一般化してきたことから、一部ではシェアオフィスではなく小規模オフィスビルの一棟借りを望む傾向が高まっている。「オーダーメイドビルディング賃貸事業」では、最低限必要となる電気や空調などのインフラ設備工事はリアルゲイトが実施。テナントの要望を聞きながら外観や内装、そのほかキッチン設備やイベントスペースなどの共用部の改修工事を行いリノベーションを完成させる。一級建築士事務所を有する同社がテナントの要望に応じた用途変更や外観変更、原状回復の取り決め等を行うことで、無駄なコストをかけずにテナントの自由度を実現しつつ、オーナー側の手間とリスクの軽減も実現する。
同社によれば、第一弾として4月より神宮前、北参道、日本橋、清澄白河の合計5棟でサービスの提供を開始。今後は年間10棟以上の開業を目標に、小規模ビルの再生とスタートアップ企業の成長を支援する考えである。