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竹中工務店 無収縮タイプコンクリート「ファインリード(R)」を開発
2016.11.14 14:59
竹中工務店(大阪市中央区)は9日、竹本油脂(愛知県蒲郡市)と共同で建物のひび割れを低減し美観維持と耐久性の確保を実現する無収縮タイプコンクリート「ファインリードR」を開発し、ニフコYRP防爆実験棟内の風のプロムナード(神奈川県横須賀市)に初適用したことを発表した。
ファインリードは工場で新開発の収縮低減タイプの高性能AE減水剤と普通セメント、石灰石骨材と膨張材を練り混ぜることで、通常通りの方法で製造される無収縮タイプのコンクリートである。鉄筋コンクリートのひび割れの主な発生原因は、乾燥により収縮しようとするコンクリートを他のコンクリート部材などによって変形が拘束され、コンクリートに引張力が発生することが挙げられる。そこで従来は工場製造時に膨張材や石灰石骨材、中庸熱セメントや低熱セメントを併用し、作業所で収縮低減剤を添加する無収縮コンクリートによって、ひび割れの発生を低減していた。新開発のファインリードRは新開発の混和剤を工場製造時に添加する方法により、作業所でこれまで必要とされた収縮低減剤の添加の手間を省き普通セメントの使用で材料の汎用性を確保する、高品質で施工性にも優れた無収縮タイプのコンクリートとなっている。今後は鉄筋コンクリート構造建物、特に意匠性の高い建物や開口部の多い建物などひび割れ低減の要求が高い建物の外壁や床などを対象に適用を拡大していく予定とされている。