週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

大成建設/三菱重工メカトロシステムズ 屋上設置型の高性能振子式大型制震装置を開発

2016.09.05 17:24

性能向上により躯体補強を低減し低コストを実現
 大成建設(東京都新宿区)は三菱重工メカトロシステムズ(神戸市兵庫区)と共同で長周期地震動による超高層建物の揺れを効果的に低減させることができる屋上設置型の高性能振子式大型精神装置「T―Mダンパー」を開発した。
 平成23年の東北地方太平洋沖地震では長周期地震動により震源から遠く離れた東京や大阪の超高層建物が大きく揺れ、天井仕上げ材が落下するなどの被害により事業継続(BCP)の点で問題が生じた。また、今年6月には国土交通省より南海トラフ沖地震を想定した長周期振動に関する大臣認定での運用強化が正式に発表され、長周期振動対策はさらに重要性を増している。
 同社は以前より長周期振動に着目し、長周期振動をはじめ直下型等の地震動に対して有効な変位依存型オイルダンパーを用いた「T―RESPO構法」を開発・適用し、東北地方太平洋沖地震でその効果を実証したが長周期地震動特有のゆっくりとした揺れに対し、より大きな低減効果を発揮できる屋上設置型の高性能振子式制震装置を開発した。
 同製品の特長は設置した錘の動く範囲を従来より4mと大幅に広げ、設置するオイルダンパー数も増やすことで地震エネルギーの吸収量を増大させ、地震による大きな揺れを効果的に低減することができるなど、従来装置に比べ制震性能を大幅に向上させている。それにより1台ごとの性能が上がったため、必要な装置台数を少なくし、総重量が減り躯体補強を軽減することによって低コストで設置することが可能となっている。




週刊不動産経営編集部  YouTube