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大成建設 360度画像活用の図面制作技術を開発
2019.03.25 14:52
歪みを独自技術で補正し誤差低減 既存建物の計測を効率化
大成建設(東京都新宿区)は、全天球カメラで撮影した360度パノラマ画像を基に既存建物内を効率的に図面化する手法「T-Siteview Draw」を開発した。リニューアル工事などにおける現地調査を迅速化し、建物管理者や利用者への影響を大幅に軽減するとともに、省人化による生産性向上にも寄与できる。
近年、既存ストックの有効活用が求められる中で増加するリニューアル工事やリノベーション工事では既存建物の管理図面が現地と異なる場合があり、工事計画時に現地調査を行うことが必要となることが多い。従来の方法では関係者立会いのもと、建物内の室内寸法や設備位置を手作業で計測しており、時間や空間の制約が発生することから現地調査の迅速化や効率化が望まれていた。
大成建設が開発した「T-Siteview Draw」は、工事予定箇所の現況を360度パノラマ画像を基に図面化する。全天球カメラを用いて最小限の基準寸法を計測し、画像をワンショットで撮影するだけで現地調査が完了する。従来の方法との比較では準備を含めた作業時間を3分の1から5分の1に短縮が可能。現地での計測漏れがなくなるため、再調査も不要となる。
計測は、撮影した画像から各部の寸法を割り出すというもの。天井高等で実際に計測した寸法を基準とした独自の補正機能により、画像の歪みや解像度の影響による誤差を最大5%程度まで低減。計測値はコンピュータ上で取得できるため、時間や場所を選ばずに、計測作業をすることが可能だ。計測値はCADに反映できるため図面作成も効率化され、平面図、展開図、天井伏図等を2~3日程度で作成することも可能になる。
脚立などを用いた高所での計測が不要となるため、作業の安全性も向上。小規模な調査であれば1名での計測作業が可能となり、人件費の低減と作業時間短縮による調査コストの低減にもつながる。
大成建設では既存建物の現地調査に同図面作成手法を積極的に活用し、リニューアル工事の迅速化・効率化に努めるとしている。