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「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」に 「働き方改革」をもとにイノベーション狙う
2019.03.25 15:19
収益マンション開発・販売を行うCOLORS(東京都台東区)が社内での「働き方改革」を進めていくなかで、2018年度「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」に認定された。
この認定は東京都が中小企業を対象に2016年度より実施。従業員の生活と仕事を両立する仕組み作りを審査するものとなっている。
代表取締役の小島貴寿氏は創業当初より「従業員が会社に定着しやすい職場づくり」を目指してきた。昨年には社内制度などを検討・提案していく「社内イノベーション委員会」を立ち上げ。ひとりひとりの社員の声を吸い上げることでボトムアップの組織ができつつある。
現在同社で導入されている主なものとしては、「給料日・誕生日早上がりDAY」や「ランチコミュニケーション制度」、グループ全社員によるスポーツ大会などだ。また昨年12月には社員の家族に日頃の感謝も込めてクリスマスパーティを実施。今年7月には創業10周年を迎えるため、社員向けに記念式典・懇親会も開くという。
このような取り組みは不動産事業にも好影響を及ぼしている。昨年、同社では福岡にオフィスを開設した。小島氏は「福岡は市況が良好で、マンション以外のアセットにも注目しています」と話す。すでに九州・福岡出身者の人材採用も実施していて、同社社員の約3分の1は出身者だという。「将来的に社員のなかには地元の福岡で働きたい、という人も出てくるでしょう。そのようなときに当社で働き続ける選択ができるような環境を整えるというのも狙いとしてありました」(小島氏)。
同社ではやはり昨年、香港にもオフィスを開設。開発マンションをアジア圏の投資家に販売していくための拠点としての役割を果たす。香港大手不動産企業とも提携し、投資家へのアプローチを強めている。
「マンション開発もものづくりで、社員ひとりひとりのアイデアや発想がより良い商品の提供につながります。社内制度などで発想力を高めて、事業に寄与するよう形作っていきたいです」(小島氏)
ボトムアップの「働き方改革」から生まれるイノベーションに期待したい。