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NTT都市開発 ポートフォリオ構築を活発に推進 福岡でホテル開発/豪でオフィスビル取得

2019.04.15 12:36

 NTT都市開発(東京都千代田区)は、福岡市中央区今泉一丁目において開発を進めているホテル・商業複合施設について、工事に着手した。また、ホテルについては、The Ascott Limited(シンガポール)の運営する日本初進出のコリビング(Coliving)ホテルブランド「lyf(ライフ)」に決定した。なお、アスコット社とは2018年より事業協力関係にあり、同プロジェクトのホテル運営に関する協議を継続していたが、今回、運営委託契約を締結した。  計画建物は、敷地面積777㎡、延床面積約3800㎡、地上10階地下1階のコリビングホテルと商業店舗からなる複合施設であり、地下鉄空港線「天神」駅、西鉄大牟田線「西鉄福岡(天神)」駅、地下鉄七隈線「天神南」駅から至近である交通利便性に優れた場所に位置する。  今回の計画地である今泉は、福岡の商業中心地である天神地区に隣接する近年個性豊かな店舗が集積するエリアであり、同計画は、地域の人々から三角公園と呼ばれ愛されてきた、当該エリアの象徴的な場所である今泉公園の前に立地している。同施設を通じて、今後のエリアのバリューアップをけん引し、福岡市の魅力の向上に寄与する。  国内外のクリエイティブ層の活動拠点として、福岡の地元住民やコリビングホテルゲストが交流しやすい施設計画とすることで、創造意欲を誘発し、新たな価値を生み出す特色ある開発をめざす。さらには、壁面や屋上の豊かな植栽計画やテラス空間、十分な歩行者空間を設えることにより、隣接する今泉公園との一体的な関係をつくりだし、公園に開かれた活動の拠点を創出する。  同施設は、2020年秋の開業を予定している。  またNTT都市開発は、オーストラリアの現地法人(UD Australia)を通じ、キャンベラのオフィスビル「121 Marcus Clarke Street」の持分50%を取得した。  オーストラリアの首都であるキャンベラは、連邦政府関連機関や大手弁護士事務所等が集積していることから、底堅いオフィス需要が期待できる。  同物件はキャンベラの中心部に位置し、今後の主要交通機関として期待が大きいライトレールの始発駅が徒歩5分の場所に完成予定(2019年)であるほか、主要エリアへのハブであるバスターミナルに近接しており、交通アクセスに恵まれている。キャンベラ商業中心地区からも徒歩圏内にあり、周辺の飲食店も充実していることから、日々の賑わいが感じられる場所。  また、オーストラリアトップ大学の一つであるAustralian National University(オーストラリア国立大学)に隣接しており、周辺には大学キャンパスを中心とした街区が整備されている。  同物件は同エリア内において希少なプライムグレードのビルであり、連邦政府関連機関をはじめとする幅広いテナントが入居している。  NTT都市開発では、今後も中長期的なパイプラインの拡充に努め、一層の事業基盤の強化に取り組むとしている。




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