不動産トピックス

今週の一冊

2019.04.22 11:50

施設は「稼ぐ力」を秘めている

プラットフォームビジネスの最強法則 すべての産業は統合化される
著者:川原 秀人氏
出版社:光文社
発行日:2019年3月30日
価格:1600円(税別)

 人口減少などの日本の長期的要因、また社会環境の変化に伴って、企業不動産(CRE)や公共不動産(PRE)の遊休化が進んでいる。大手デベロッパーなど不動産会社によるコンサルティングも進んでいるが、まだ端緒についたばかりだ。
 そのなかでPM(プロジェクトマネジメント)、CM(コンストラクションマネジメント)の事業を軸に1997年に設立した山下PMC代表取締役社長の川原秀人氏はこれからの施設について「稼ぐ力」をつけていくことが必須であると強調する。
 たとえば本書で紹介されているのが「ボールパーク構想」。米国では球場も稼ぐ資産として、そのなかにはアミューズメント、エンターテイメント、宿泊などの機能が揃った複合施設をつくることが主。同社でも多くの案件を持っていて、現在進行中の北海道日本ハムファイターズ新球場の「北海道ボールパーク」や「選手育成・代表強化・指導者養成の三位一体+普及」の核になる「JFA夢フィールド」などがある。
 ちなみにこのような稼ぐ力、ビルでも可能だ。現在IoTで全ての機器がつながることが可能になっている。これらを応用していけば、無駄なコストの削減やビルの入居者にとってより居心地の良い環境をつくっていくことが可能となる。
 プラットフォームとは「Aをしたい人とBをしたい人を結びつける」こと。米国のAirbnbやWeWorkの時価総額は日本のデベロッパーを超えているという。新ビジネスはここから生まれてくるかもしれない。




週刊不動産経営編集部  YouTube