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JLL 不動産透明度調査を発表 日本19位、前年度よりも7ランク上昇

2016.07.25 16:25

 総合不動産サービス大手のJLL(本社・米国シカゴ)は今月20日に2016年グローバル不動産透明度調査の記者説明会を丸ビルホール&コンファレンススクエアにて実施した。
 説明会ではリサーチ事業部長の赤城威志氏、リージョナルダイレクターのジェレミー・ケリー氏、インターナショナルダイレクターのジェーン・マレー氏、アソシエイトダイレクターの大東雄人氏の4人から、日本をはじめとした世界109の不動産市場を対象としたJLL独自の透明度調査結果を発表。
 英国、オーストラリア、カナダ、米国の英語圏が上位を占め、上位国においては不動産鑑定評価や市場ファンダメンタルズのデータの透明性は他市場を凌ぐ向上性を実現している。一方で欧州の非英語国圏ではフランスが5位、ドイツは上場法人のガバナンス項目が成長したことによって9位と初の「高」のグループとなった。その他の国ではオランダが7位、フィンランドが10位、スウェーデンが12位、不動産テックの先駆企業の本拠地があるポーランドは13位となっている。   
 アジア・太平洋地域では英語圏であるオーストラリアの2位とニュージーランドの6位と「高」グループを維持しているほか、シンガポールが11位、香港が15位となっている。
 日本における透明度は平成26年度の26位から7位順位を上げた19位と「中高グループ」に位置し、アジアではシンガポール、香港に次ぐ状態となっている。アベノミクス効果による日本の不動産市場の活発化によって、海外の投資家からの情報開示の要求が高まったこと、またJリートが世界でも有数の情報開示をしていることが日本の不動産市場ファンダメンタルズが大きく改善した要因となった。
 一方で、地方においての市場ファンダメンタルズのデータ量の不足や共益費等の明確化が主に改善するべき項目である。
大東氏は「今回の調査において日本は順位を7位上げましたが、独自商慣習といった改善すべき点は残されています。昨今ではIT技術の向上によって『不動産テック』が急成長しています。このようなインターネット技術を不動産業界に導入することによって、日本に外国資本を呼び込むことに繋がることが期待されます。JLLでは今後も積極的な情報発信を行っていくことで、日本の不動産の活発化への貢献に取り組んでいきます」と抱負を語った。




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