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いちご アニメーション制作に進出 押井守監督が2020年に新作公開
2019.05.20 11:30
アニメ制作でビルを「聖地」に
総合不動産サービスのいちご(東京都千代田区)が、アニメーション制作に乗り出す。
4月4日には制作会社として、100%連結子会社のいちごアニメーション(東京都千代田区)を設立。今月15日にはアニメーション映画監督の押井守氏が原作・脚本・総監督を務める新作アニメーションの製作を発表した。
いちごは2019年4月に発表した長期ビジョン「いちご2030」などにおいて、不動産を「人々の暮らしをより豊かなものにする『インフラ』」と位置付けている。今回のアニメーション制作もその理念にもとづき、いちごが秋葉原に保有するビル「AKIBAカルチャーズZONE」と連動させる構想。押井氏が制作する新作アニメーションで、同ビルを日本のアニメ文化を代表する世界的なランドマークへ発展させたい考え。いちごでは、アニメーションの発信によるソフトパワーの充実は国家戦略である「クールジャパン政策」にも合致しており、経営理念である「日本を世界一豊かに」の具現化の一環でもあるとしている。
AKIBAカルチャーズZONEは、さまざまなジャンルのサブカルチャーが集積する秋葉原にいちごが保有する「サブカルチャーの聖地」。6階建ての建物にはエリア最大級の劇場「AKIBAカルチャーズ劇場」を擁するほか、アイドルグループの活動拠点となるカフェ、キャラクターグッズショップなど秋葉原ならではのテナントが集まる。
新作アニメーションは、いちごアニメーションの独占出資により制作。いちごによれば「総監督である押井氏が10年間構想を重ねた意欲作」という。2020年春から初夏にかけて日本国内で放映・配信を予定しているが、作品に関する詳細は発表されていない。
押井氏はアニメーションのほか実写映画の監督としても知られる。世界三大映画祭すべてに出品経験をもち、国内のみならず世界的に高く評価されている映画制作者の一人。代表的な作品に「うる星やつら」、「機動警察パトレイバー」、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」、「イノセンス」、「スカイクロラ」など。