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森ビル 19年3月期決算発表

2019.05.27 11:26

経常利益が過去最高を更新 次期も増収増益見込む

 森ビル(東京都港区)は21日、2019年3月期決算を発表した。主力の賃貸事業が好調に推移し経常利益が過去最高を更新。営業収益・営業利益・当期純利益ともに期首の予想を上回る結果となった。 

 同社の発表によると、当期は、オフィス稼働率が過去最高の99%となるなど、オフィス・住宅ともに高稼働・高単価を維持したほか、「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」や「森美術館」が高い集客力を実現し、フォーラム事業やホテル事業等の施設営業事業も好調に推移した。
 連結業績については、不動産売却を抑えたため減収となったが、主力の賃貸事業が好調であったことから、経常利益は増益となり、過去最高を更新した。
 次期の連結業績については、引き続き賃貸事業が高稼働・高単価を維持すること等から、増収増益を見込む。今年12月には「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」も竣工する等、事業は順調に推移している。
 決算報告会ではプロジェクトの進捗状況についても言及した。進行中の「六本木ヒルズ」「アークヒルズ」「虎ノ門ヒルズ」の各エリアのプロジェクトのうち、国際新都心として拡大・進化するエリアとして力を注ぐ「虎ノ門ヒルズ」エリアの虎ノ門一丁目地区・虎ノ門ヒルズビジネスタワーは今年12月竣工予定。同地区は区域面積約1・5ha、タワーは地上36階で高さ約185mに及び、延床面積は約5万2300坪だ。  オフィス、商業の各用途に加えビジネス支援施設やバスターミナルなども備わる。ビジネス支援においては、起業家や大企業の新規事業創出の支援を行う施設も設置する計画。バスターミナルは都心と臨海を結ぶBRT(バス高速輸送システム)、空港リムジンバスが発着し「東京の玄関口」として機能することになる。
 同エリアの「虎ノ門ヒルズ・レジデンシャルタワー(仮称)」は2021年1月の竣工予定。住宅のほか商業施設や子育て支援施設も含まれる同タワーも順調に進んでおり、「550戸の住を整備して、森ビルでも最高峰の住宅を提供したい」としている。  都心の新たなランドマークとして注目される「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」では、森ビルならではの再開発に取り組んでいる。約8・1haの区域にオフィス、商業、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、生活支援・交流施設など、多彩な都市機能を一体的に整備する計画で、2023年3月の竣工を目指している。
 地域のコミュニティ機能を強化する取り組みにも力を注いでいる。2018年10月に開業した「新虎通りCORE」では、カフェ・ダイニングとイベントスペースを融合した多数のイベントを開催中だ。1周年を迎えるデジタルアートミュージアムは世界から注目を集めている。社会的評価も高く、第25回ティア・アワード「アウトスタンディング・アチーブメント賞」など国内外で数々の賞を獲得した。




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