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オリックス、土壌浄化の「エコサイクル」に出資
2019.06.03 17:59
オリックス(東京都港区)は5月28日、バイオ浄化剤の開発・製造販売および土壌浄化工事を手掛けるエコサイクル(東京都中央区)に出資すると発表した。現株主との間で株式譲渡契約を締結し、6月中をめどに同社の発行済み株式の過半数を取得する予定だ。
エコサイクルは、独自に開発したバイオ浄化剤の製造・販売のほか、土壌調査や浄化工事、環境コンサルティングなど、土壌汚染に関するトータルソリューションを提供している。特にバイオ浄化剤による原位置浄化において高い技術力を有しており、国立研究開発法人国立環境研究所などが主催する「2017年度環境賞」において「環境大臣賞」を受賞するなど高い評価を受けている。
オリックスは、国内の営業ネットワークを活用し、工場などを所有する企業や不動産事業者、ゼネコンなどに対して同社技術の橋渡し役を担うとともに、自社の不動産事業においても当該技術を活用する。
2019年4月の土壌汚染対策法の改正では調査の実施対象面積が縮小されるなど、土壌汚染に対する法規制は厳格化の傾向にある。こうした背景などから、土壌調査や土壌浄化に対する社会ニーズが増加する一方で、これまでの主要工法である掘削除去では、汚染土壌の埋め立て場所の確保や運搬時の飛散流出リスク(二次汚染)への対応が求められている。原位置浄化は、土壌を場外に搬出することなくその場で浄化する工法で、環境負荷が少ないだけなく、工期短縮やコスト削減も見込めることから注目されている。
オリックスは、今後もESG(環境・社会・企業統治)に強みを持ち、安定した事業基盤や質の高い技術・サービスを有する企業などに投資し、オリックスグループの専門性や営業ネットワークを生かして投資先の成長支援を行っていく。