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いちご 江ノ島にライフスタイル提案型施設開設

2019.06.24 12:43

ランドリー、カフェ、ストレージを1棟に集約

 ランドリーやトランクルームは不動産活用のメニューとして採用されることもある。これらを組み合わせて、ライフスタイル提案型の施設が江ノ島に誕生した。先行オープンした事例ではストレージの稼働もわずか4カ月で70%。不動産運用としても妙味の高い取り組み。最新施設の内部と、その戦略に迫った。

 ランドリー、カフェ、トランクルームの複合店「ストレージプラス 江ノ島店」がオープンした。ランドリーサービスを通じて新しいライフスタイルを提案するOKULAB(東京都渋谷区)が「Baluko Laundry Place 江ノ島」としてストレージプラス(東京都千代田区)と手を組んだ複合型ビルは神奈川県藤沢市の江ノ島電鉄「江ノ島」駅から徒歩5分、ストレージプラスが企画し、建築した海が見える新築の5階建て。
 1階から4階にはストレージプラスが運営するトランクルームが併設されており、1階には大型バイク専用、2階にはロードバイク専用など地域のニーズに対応した特別なトランクルームを用意した他、3階~4階は自宅のクローゼットのように気軽にランドリー後の収納も可能だ。
 5階のランドリーフロアではふとんも洗える大型洗濯乾燥機のほか、スニーカー専用のウォッシャーとドライヤーまである。さらに大きな特色はFUNGO(東京都渋谷区)が提供する「クロスロードベーカリー」のカフェだ。ランドリーの待ち時間に、同じフロアで海を見ながらゆっくりと小川珈琲のコーヒーや湘南ビールの生ビールが楽しめる。
 このプロジェクトの仕掛人であるいちご(東京都千代田区)の常務執行役財務本部長・渡邊豪氏は、「単に『洗濯』をするのではなく『洗濯』が楽しくなるようなライフスタイル空間を提供したい。また、ストレージとランドリーがコラボすることで『洗濯と片付け』が一緒にできます。平塚市で本年3月に、このコラボを先行して開業したのですが、ストレージ稼働率はわずか4か月で70%でした。ランドリーのみの提供よりもストレージ稼働率に与える効果が高いことは実証されています。今後も単なる『洗濯』が、楽しくなる『空間づくり』を進めていきたい」と語った。また、不動産市況については、「昨年暮れから銀行融資が付きにくい状況が一部現実となり、企業により影響に差があるのではないでしょうか。信用度の高い企業には取得においては追い風となっています。弊社にとっても取得において今年は良い状況ではありますが、だからこそ我々は慎重に状況(もっと安くなるのではないか、高値掴みではないか)を現在分析しています」と語った。




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