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ヒロマス ホステル2棟を1日に開業 今後は運営受託の強化も視野に
2019.07.01 14:24
3000万人超の訪日観光客を背景にして盛り上がるホテル業界。異業種からの参入も相次いでいて、それらの事業者はホステルを展開することも多い。一方、参入した事業者が運営に苦戦し撤退することもしばしば。そのなかで、ホステル運営事業者のヒロマス(東京都千代田区)は着実に地盤固めを進めている。
ホステル運営を行うヒロマスは7月1日、「蔵前」駅近くに「ヒロマスホステル蔵」、「ヒロマスホステル寿」の2棟をオープンした。これで既存の6棟と合わせて計8棟。客室数は首都圏のホステル事業者で最大級の550室超となる。
代表取締役社長の金南亨氏はECサイト「PREMOA」を運営するMOA(東京都江東区)の創業者。2018年で売上高400億円超となっている。MOA社は2017年4月にホステル事業に参入。その後、投資ファンドのサンライズキャピタルにMOAを売却。ホステルおよび不動産事業をヒロマスに移管し、事業展開をスタートさせた。
今回、蔵前のホステル2棟は別の事業者が運営していたホステルを購入したもの。金氏は「旺盛な訪日観光客需要を背景に様々な業種からホステル業への参入が相次いだが、運営に苦戦していて事業売却を検討する業者が多いのも現状」と説明する。一方、同社はこれまでホステル運営を順調に展開。首都圏でのベッド数の更なる上積みを狙い、「再編に向けた動きは当社にとってチャンスだと考えています」と話す。
今回、2棟の物件を購入した同社。これまでの6棟も運営を受託する1棟を除けば、すべて同社が物件を所有している。今後について金氏は「購入と運営受託の双方からアプローチをかけていきたい」と語る。
ヒロマスブランドはしっかりと定着していきそうだ。