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登録有形文化財「三養荘」 次世代の旅館めざしバリューアップを実施

2019.07.16 15:37

ファミリー層やインバウンド向けの施策も
 プリンスホテル(東京都豊島区)が伊豆長岡温泉(静岡県伊豆の国市)で運営する「三養荘」が、7月8日にリニューアルオープンした。「新しい時代の旅館」として生まれ変わるためにバリューアップし、培ってきた伝統を次世代につないでいくという。
 三養荘は1929年に三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎氏の長男、久彌氏の別邸として建設。1947年に旅館として営業を開始してから70年余り、実用に供しながら維持・管理に務め、2017年には玄関や客室などが国の登録有形文化財に登録された。日本の旅館文化を時代と共に進化させていくため、2014年には愛犬と過ごせる専用客室を2室設置するなど、さまざまな顧客が利用しやすい環境づくりも進めてきた。
 また京都の庭師・小川治兵衛の手による3000坪の庭園は、春は枝垂れ桜、夏は花菖蒲、秋は紅葉、冬は寒桜・梅など四季の移ろいを感じられる伝統的な和風庭園で、建物同様に変わらず維持していく。
 今回のバリューアップでは、新館全22室の一般客室にベッド付きの部屋を9室追加して計17室とした。これまでのアクティブシニア層の顧客に加え、普段ベッドに慣れている外国人観光客や若年層の顧客がより使いやすい環境を整備。同時に客室内の浴槽に手摺を設けることで、機能性と安全性も向上させた。また施設内にキッズスペースも設置し、ファミリー層にもアピールしている。
 別館客室8室は、会員制旅館「プリンス バケーション クラブ 三養荘」として7月17日にリニューアルオープン。ターゲットはアクティブシニア層で、1年を通じて別荘感覚で利用できる。




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