不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2019.07.22 11:24
アパホテル 新宿エリア7棟目「歌舞伎町中央」をオープン 自動チェックイン機も導入
客室数は166室 インバウンド需要期待
アパホテル(東京都港区)はこのほど、新宿エリア7棟目となる「アパホテル〈新宿 歌舞伎町中央〉」(166室)を開業させた。
同ホテルは、日本最大の繁華街「歌舞伎町」の中心に位置し、西武新宿線「西武新宿」駅徒歩3分。ビジネス需要はもちろん、国内レジャーやインバウンド需要も見込む。
建物は鉄骨造・地上15階建て。客室はスタンダードルーム155室、スーペリアルーム8室、スタンダードツイン2室、デラックスツイン1室の計166室。全室禁煙で、同ホテル独自の「新都市型ホテル」の標準仕様として、全室50型以上大型液晶テレビを設置。照明スイッチ類、空調リモコンなどをベッドの枕元に集約し、携帯・スマホの充電に便利なUSBポート・コンセントを枕元に設置した。
室内の明るさにもこだわりLEDシーリングライトを採用しているほか、ベッド下に荷物の収納スペースを設けたオリジナルベッド「Cloud fit SP(クラウドフィット エスピー)」やリュックサック等を掛けるフックを設けた多機能姿見を設置し、空間を立体的に活用している。
また、Wi―Fi無料接続やBBCワールドニュースの無料放映を導入し、増加する訪日外国人旅行者も快適に滞在できる客室を提供する。日本語・英語・繁体字・簡体字・韓国語で館内案内をテレビ画面上に集約表示した「アパデジタルインフォメーション」には、自身のスマホからYouTubeの動画や写真などをテレビに映すことができる「ミラーリング機能」や訪日外国人向けの飲食店予約代行サービスを搭載している。ホテル最上階の客室には、オリジナルシャンデリアを設置し、家具には高級感のある黒鏡面塗装やレザー張りを施しグレードを高めた「スーペリアルーム」を設けた。 チェックイン時間短縮のため、業界初となる全ゲスト予約に対応したオリジナル「自動チェックイン機」の導入に加え、ルームカードキーを投函すると自動でチェックアウト処理が行われるエクスプレスチェックアウトポストを業界で初めて導入し、チェックアウト処理の自動化を実現した。
開業に際し、同社グループ代表の元谷外志雄氏は話す。「世界一の乗降客数を誇る新宿駅周辺の既存ホテルは年間稼働率100%を超えており、当ホテルは収益面でも期待をしている。2010年の『SUMMIT 5』以降、東京での出店を推し進め、現在、東京23区内では80棟、1万9118室のホテル展開しており、山手線沿線では半数近くの駅で出店している。今後もお客様の要望に沿ったホテルづくりを行い、更なる進化を遂げていきたい」。
秋葉原地区に土地取得 2021年3月に開業へ
同社はまた、「秋葉原」駅エリアにホテル開発用地を取得した。取得会社はアパホーム。
同案件は、東京メトロ日比谷線「秋葉原」駅より徒歩2分に位置し、複数路線・複数駅が利用可能なビジネスやレジャーに適した立地。
敷地面積は440・39㎡。延床面積約2900㎡、全179室の「アパホテル〈秋葉原駅東〉」として、2021年3月開業を目指していく。
「秋葉原」駅周辺エリアでは、ホテル全137室・サービスレジデンス全12邸mの「アパホテル〈秋葉原駅前〉」、全117室の「アパホテル〈秋葉原駅電気街口〉」の2棟が高稼働中で、先般発表した2020年10月開業予定の「アパホテル〈秋葉原駅北〉」全181室を含め、「秋葉原」駅周辺エリアのアパホテルは全4棟・606室となる。「秋葉原」駅は都心へのアクセスが至便で、駅周辺エリアの再開発による発展が見込まれることや、サブカルチャーの街として訪日外国人の観光スポットとしても人気があることなどから、更なる需要の獲得を目指し、今回の計画に至った。
同社は今後もドミナント戦略により、アパホテルの出店を強化していく。
大型シティホテル「コレクティブ」今冬に
嘉新琉球開発合同会社(沖縄県那覇市)は、沖縄・那覇市の人気観光スポットの1つである国際通りに、大型シティホテル「ホテルコレクティブ」を今冬、開業させる。
同ホテルは、鉄骨造、地上13階、地下1階建て、客室数は260室、宴会場(大・中)、レストラン、屋外プール、チャペル、スパ、フィットネス等を併設する。
沖縄は、琉球王国としての伝統とともに、台湾、中国、タイ、そしてアメリカの文化を取り入れ、日本の感性を融合した独特の文化を持つ地域。「ホテルコレクティブ」は、その沖縄の多様性に富んだ文化を取り入れ、国内外の観光客が集まる国際通りという国際色豊かな場所で、自然と人の往来を生む、今までにないラグジュアリーで、ぜいたくな癒しの空間を提供していきたいという。
館内施設は、都市型リゾートホテルとして、大・中の宴会場をはじめ、レストラン、国際通り沿いでは唯一となる屋外プールとチャペル、さらに、スパ、フィットネスなどを完備。国際通り沿いでは唯一の大型宴会場には300インチの大型LEDディプレイを完備しており、国内外からの大型MICEの受入も可能。
「コレクティブ」ブランドのホテルは、この沖縄を出発点として、今後、国内外に展開していく予定。開業に向けて、ホテル運営会社として、7月1日に嘉新琉球COLLECTIVEを設立し、運営のすべてを新会社が担っていく。
レジデンストーキョーが投資家向け開発を加速
東京都内で家具付き賃貸マンションやホテル等の開発・運営を行うレジデンストーキョー(東京都渋谷区)はこのほど、国土交通省の推進する小規模不動産特定共同事業者登録を完了。今後、小規模不動産特定共同事業者として、家具付き賃貸マンションの運営等を通じたキャシュフローを分配し、多くの個人投資家に安定的な投資機会を提供していきたいという。
小規模不動産特定共同事業は、2017年12月の不動産特定共同事業法の改正により創設されたもので、一定規模以下の不動産特定共同事業を行う場合の要件が緩和されている。
20~30代の半数以上が「資産運用でお金を増やしたいと考ている」、30~50代の半数以上が「資産形成・資産運用の必要性を感じている」などの調査データが示すように、昨今、個人での資産運用が注目を集めている。一方で、長期的・安定的に運用可能な不動産投資は、ローン対象年齢が25歳~45歳といわれており、長寿化時代にマッチしているとは言い難い現状がある。同社はこうしたマーケットの現状に着目した。
同社は、全国約7500室のマンスリーマンション事業者との提携による紹介ネットワークを構築しているほか、運営のノウハウを活かし、サブスクリプション住宅事業や滞在型宿泊マーケットにフォーカスした物件の開発も積極的に行っている。同社が自社で運営する物件は都内に約600室を数え、マンスリーマンションとしては都内トップクラス。
また、宿泊施設としては、バジェット型ホテル「UNO上野」を2017年より運営しており、今夏には、「百人百様の生き方を尊重し、人種や国籍、宗教、性別にとらわれず、全ての人に寄り添う」をコンセプトとする、日本初のダイバーシティホテル「CEN DIVERSITY HOTEL & CAFE」を開業予定だ。
「からくさホテル」東京2棟が始動
からくさホテルズ(東京都港区)は7月8日、「からくさホテル TOKYO STATION」(東京都中央区)をオープンさせる。同ブランドでは、5月1日に開業した「からくさホテルプレミア東京銀座」に続き東京で2軒目、北海道・関西を含む全国では7軒目となる。
同ホテルは、「東京」駅八重洲北口から徒歩約5分に位置、地上12階・地下1階建て、延床面積5406・4㎡。客室はコネクティングルーム40室、スタンダードダブル1室、ハリウッドツイン10室、スタンダードツイン43室など合計151室。駅周辺の各バスターミナルにも近く、日本旅行の拠点に便利なロケーションだ。21㎡以上のツインルームを43室用意。3名まで宿泊可能な部屋は94室あり、内40室は隣り合う客室を内扉でつなぎ、最大6名まで利用可能なコネクティングルームとなっている。
全館無料Wi―Fiに加え、全客室には滞在中、国内はもちろん、海外6か国への通話が無料で利用できるスマートフォンや海外製電化製品対応のマルチコンセントプラグ、USBポートを完備する。増え続ける訪日外国人にも対応すべく、日本人・外国人スタッフによる多言語対応が可能なほか、プロ通訳とテレビ電話が可能なシステムも導入する。
同社では11月には、関西で5軒目・からくさホテル最大級で、24階建て、全396室「からくさホテルグランデ 新大阪タワー」(大阪府大阪市)のオープンも控えている。
「ナインアワーズ浜松町」2020年春に
東京建物不動産販売(東京都中央区)とナインアワーズ(東京都千代田区)は2020年春を目途に、「ナインアワーズ浜松町(仮称)」をオープンさせる。
同施設は、JR「浜松町」駅から徒歩圏内に位置、客室数は205室を予定する。所有は東京建物不動産販売、運営はナインアワーズ、基本設計・監修を平田晃久建築設計事務所が、設計・施工を清水建設が担当する。
「ナインアワーズ」は、都心で機能的かつ高品質なトランジットサービスという独自のカテゴリーを目指し、ホテル滞在中の「シャワー」+「睡眠」+「身支度」という3つの基本行動に特化して、それぞれの機能性と品質を徹底追求する考えで開発してきた。「また、部屋という概念を捨てて身軽に使いこなすことで街とダイレクトにつながり、都心ならではの滞在・トランジットスタイルを提案しております」(同社)。
宿泊に限らず、24時間利用客の都合に合わせて仮眠やシャワーのみでも利用できるのが特徴だ。
同社は、ビジネス、観光の中心地や、空港、大ターミナル駅など交通の要衝へ通じる路線駅周辺など、大都市圏を中心に展開を進めており、「ナインアワーズ浜松町(仮称)」は、国内14店舗目、東京では9店舗目の出店計画となる。