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平戸城、泊まれます!日本初城のやぐらを宿泊施設に 本物の城に泊まる「城泊」2020年スタート

2019.07.22 12:12

百戦錬磨、Kessha、天工人、JALがタッグ
 体験型宿泊事業を手掛ける百戦錬磨(宮城県仙台市)のグループ企業Kessha(東京都目黒区)と、アトリエ・天工人(東京都渋谷区)、日本航空(東京都品川区、以下JAL)の3社による「平戸城『城泊』JV」は、長崎県平戸市が実施した「平戸城懐柔櫓(かいじゅうやぐら)宿泊施設化改修・運営事業」の事業者公募において優先交渉権者に選定され、平戸市と基本協定書を7月11日に締結した。これにより、日本初の「城泊(キャッスルステイ)」施設が常設化されることとなった。
 欧米中心の富裕者層インバウンド旅行者をメインターゲットに、2020年夏の開業を目指す。現在、平戸城懐柔櫓は倉庫となっており、その長寿化のためにもリニューアルが待たれていた。
 プロジェクトでは、全体プロデュースおよび施設運営を百戦錬磨グループが担当。施設の設計・監理を天工人が、プロモーション・送客をJALが担当する。
 「懐柔櫓」を宿泊施設化するための公募は、「日本100名城」にも選定され、平戸のシンボルともいえる平戸城の大規模改修に合わせて行われたもの。2017年に平戸市と百戦錬磨が共同で実施した「平戸城キャッスルステイ無料宿泊イベント」は、国内外から約7500組の応募を獲得する反響を得た。これを契機に欧米圏からの観光客が増えたことから、「懐柔櫓」の宿泊施設化が着想されたものだ。
 平戸市は長崎県最北端の市として、日本最古の南蛮貿易の拠点となった城下町であり、世界文化遺産に登録されている長崎・天草地方の「潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産を保有している。
 百戦錬磨の企画をベースに、天工人の設計力、そしてJALの持つ地域と世界をつなぐ集客力を融合させ、海外に向けて「城泊」をブランド化。平戸市の観光資源を活用した「体感型観光」も推進し、同市および長崎県、そして九州全域における交流人口の拡大を目指す。
 2020年の開業に先駆けて「城泊」の魅力を発信する「城泊アンバサダー」を国内外より募集するなど、同プロジェクトは動き出している。




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