不動産トピックス

クローズアップ 収納スペース編

2019.08.26 14:21

 首都圏の住居、事務所では専有面積が限られるためにトランクルームなどの収納スペースが人気を集めている。一方で、事業者もこれを好機ととらえ出店数を増やしているために競争も激化している。そのなかで、ここでは成功するトランクルーム事業者の取り組みとその「コツ」をお伝えする。

マンションの1階を活用したトランクルーム ここ数年は稼働率95%以上を維持
 長谷工グループの保証人代行サービスや家具・家電レンタルサービスを行うレジデンシャルサービス(東京都港区)は、マンションの1階(路面店)を活用したトランクルーム「ライブBOX」を展開する。
 「ライブBOX」は、グループ会社が管理するマンションの店舗フロアを活用したレンタル収納スペース。2010年10月に千葉県・東葉高速鉄道「八千代緑が丘」駅から徒歩3分の場所に開設された。駅からのアクセスに優れており、車での荷物の運搬も想定してマンションの駐車場内に「ライブBOX」専用の無料駐車場を確保。自由に使用できる台車や掃除機も施設内に用意した。
 同事業を始めた経緯について、営業2部の早野一男専任部長は次のように語った。  「元々マンションの1階は店舗テナントが入居していましたが、退去のタイミングで店舗フロアの新しい活用を検討することになりました。元が店舗でしたので、住居に改修しても1階は入居者の確保に苦労します。改装コストも抑えたい。検討した結果、適した広さもあったことからレンタル収納スペースを始めました。ここ数年は稼働率が95%以上を維持しています」
 利用者から好まれる要因は高いセキュリティ性にある。施設の入り口はオートロックを採用し、利用者だけが渡されたカードキーで入室できる。個別の収納スペースはピッキングが困難なディンプルキーを設置。防犯カメラも取り付けて、利用者の荷物を厳重に守る。また施設内に防犯ブザーを設置。万が一トラブル等が発生した際は警備会社ALSOKに自動で通報され、緊急時は警備員が駆け付ける。
 「ライブBOX」は、利便性と快適性も兼ね備える。荷物の量に合わせて、収納スペースは様々なサイズを用意した。0・2帖のロッカータイプから、約3帖の小部屋サイズまで。また大型の空調を設置し、年間を通じて室温・湿度を調節している。カビの抑制も考えて、24時間機能する換気システムを導入した。一方照明は人感センサーが付いているため、人が立ち入らなければ点灯しない。コストを掛ける場所にはしっかりと投資を行い、削減可能な内容は徹底して取り除いたかたちだ。
 「八千代緑が丘店」の順調な経緯から、今年4月中旬に2店舗目の「千葉みなと店」を開設した。JR「千葉みなと」駅から徒歩3分圏内と同施設もアクセス性に優れており、機能性もこれまでと同様のスペックを用意。ファミリータイプのマンション1階に開設するため、入居者からの引き合いも高い。
 早野氏は「昨今のマンションなどの集合住宅はリビングなどを広くする場合、一方で収容スペースが足りなくなることが考えられます。その際はマンションにレンタル収納スペースがあれば、収納ニーズを満たしてあげることもできます。今回はファミリーマンションなので利用機会があるのではないか」と第2弾への期待を語った。

気軽に預けるトランクルーム 押入れ産業が「DEPOCO(デポコ)」発売開始
 全国にトランクルームを展開する押入れ産業(東京都港区)は、「気軽に預けるトランクルーム」をコンセプトに、手頃な料金で季節品などの保管品を預けられるサービス「DEPOCO(デポコ)」を今月1日から全国11店舗にて開始した。
 同社が従来提供してきたトランクルームサービスは、リフォーム時の家財や会社の備品保管が中心であった。しかしながら、安心して預けられる場所を探しているが、大きいサイズの保管BOXは必要ないとの意見も多かった。同サービスは少量の大切なものを倉庫で安全に保管してほしいとの要望に応えるものである。
 デポコとは、物を保管したり貯蔵したりする所を意味するフランス語「depot」と倉庫の「庫」を組合わせた造語である。
 縦×横×高さが約100cmの保管専用BOXにユーザーの保管物を格納し、倉庫のセキュリティエリアにて、倉庫スタッフが1BOX毎に管理するサービス。ダンボール箱は18箱程度の保管が可能であり、利用料金は月額3800円(税別)と利用しやすい料金である。ユーザーは専用WEBページから申込むことで、最短3日後(土日祝除く)から利用することが可能となり、盗難のリスクが少ないトランクルームを手軽に利用できる。




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