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大成建設 BIMを使った解析モデルツールを開発

2016.06.06 10:34

環境振動の予測評価に必要な解析ツールを自動作成
 大成建設(東京都新宿区)はBIM(Buildng Information Modeling コンピュータ上に3次元の建物のデジタルモデルのデータベースを設計などの工程で情報活用を行うための新しいソリューション、ワークフロー)データを利用して建物内で発生する環境振動(屋内外の機械、車両、人などにより日常的に発生する微小振動)予測評価に必要な解析モデルを自動作成するツール「T―BIM Vibration」を開発した。建物の形状・規模にかかわらず予測にかかる時間を大幅に短縮でき、高精度な評価結果で計画時や設計変更への迅速な対応を可能とする。
 従来方式では手作業で1フロア分のモデルを作成するのに一人で数日を要していたが、同ツールはBIM情報を利用することで解析モデルを数時間で作成でき、予測評価にかかる総時間を大幅に短縮することが可能。設計変更などのニーズにも迅速に対応することができる。また、BIMデータをもとにすべての部材は3次元(幅・奥行・高さ)情報を持つソリッド形状で表記され、部材の複雑な形状を忠実に再現。高精度な予測評価と無駄のない経済的なフレーム設計が可能となる。
 大成建設では同ツールを大規模施設や複雑な形状の建物に加え建物内での環境振動が懸念される物件の計画・設計に活用し、高い耐振動性能を低コストで実現する建物の提案に生かしていくとしている。




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