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AIGが錦糸町再開発ビルを落札 6月にグループ会社を統合移転 日本での保険事業拡大 価格は200億円強

1997.01.21 13:53

 業績好調企業などのビル購入が促進する中、海外企業のビル取得は盛んだ。そして、今年竣工の目玉の一つである江東区錦糸町の再開発ビルを落札したのも、世界最大の保険事業を展開するAIG(アメリカン・インターナショナル・グル-プ)。同社では、今年6月を目途にグループ会社を移転する予定。AIGのビル購入による今後の展開などをレポートする。
 アメリカン・インターナショナル・グル-プ(AIG/本社・米国ニューヨーク州、M.R.グリーンバーグ会長)は、国鉄清算事業団が江東区錦糸町駅前に進めている再開発により誕生するオフィスビルを落札した。
 落札したビルは、錦糸町再開発3街区に建つ4号棟ビル。地下3階、地上22階建。総面積は5万1926.81平米。専有面積は2万9037.08平米だ。落札価格は200億円を超える額と見られる。
 同社では、今回の投資を日本における保険事業の効率化と共に、高品質の商品やサービスを顧客へ提供する為としている。
 また、ユーザー側のみならずプロデューサー(代理店・営業社員)側へも、より働き易い環境を整備する予定だ。その為、新しいビルには極東地区トレーニングセンターも設置される。ここでは、日本全国のAIG関連各社の社員および代理店の教育・訓練等に使用される。
 「当社では、東京都内を中心に、約1年半前からビル購入計画を進めて来ました。今回の錦糸町再開発ビルは、競争入札により落札されましたが、結果的には当社のみの入札になったようです。錦糸町の再開発ビルに決めた要因は、価格的にリーズナブルであった事と、東京駅からJR線快速で10分程度と、好アクセスである事が決め手になりました」(AIG・形部広報部長)。
 今後、同社ではAIG各部門を統合して移転する予定で、引っ越しの時期は、早くて6月から7月になると見られる。
 移動する部門は、千代田区大手町(AIG本社ビル)の本社機能の一部を除く全てと、新宿区早稲田(AIG早稲田ビル)のオペレーションセンター。文京区小石川(イトーピア小石川梅津ビル)に置く、教育センターの全部門が移転する。さらに、関連会社であるアメリカンホーム保険も本社を移転させる予定だ。
 最近、業績好調企業、特に海外企業のビル取得が盛んにおこなわれている。今後もこうした動きには注目しておく必要がありそうだ。




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