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サンケイビル 平成12年完成目指しいよいよ動き出した大手町再開発事業 「新東京サンケイビル」着工へ
1997.03.21 14:43
敷地内には公開空地を設置
サンケイビル(東京都港区)が大手町で進めている本社ビル建て替えが動き出す。既に殆どのテナントは移転を終了しており、この春にも解体が行われ、11月には着工となる見込みだ。
同社が面積約6262平米の敷地に建設を進める新本社ビルの名称は、「新東京サンケイビル」。
総事業費約430億円をかけて建設されるこのビルは、一部鉄筋コンクリート造の鉄骨造、延床面積約8万平米。高さは100メートルのインテリジェントビルだ。設計監修を三菱地所が担当し、設計・監理は竹中工務店が行う。低層階にサンケイホールをはじめとする文化施設ゾーンを設け、中層階には産経新聞社東京本社が入居する予定で、高層階が賃貸オフィスゾーンとなる。
またCFT柱(コンクリート充填鋼管柱)や耐震装置等により耐震性も強化する。各フロアには、全面フリーアクセスフロアはもちろん、光ファイバーケーブル対応設備を設置。無柱空間とともに天井高2700ミリを実現することで、快適なオフィス空間造りに注力している。
そして、今回の建替えの目玉として注目されるのは、隣接する同ビルの敷地内に、「メトロスクウェア」という公開空地を設けること。「このスペースで昼間の人口が約30万人と言われている大手町界隈の、有事の際における緊急避難所になる」(総務部小倉次長)という。同スペースは、JR東京駅と地下通路で直結し、地下鉄大手町駅の真上にあたるため、ビジネスだけでなく、文化との相互交流野場として活用していく方針だ。
新東京サンケイビルへのテナント企業は、今後臨時募集を行っていくが、同ビルにキーテナントとして入居していたモービル石油が、再び入居するかは今のところ未定。賃料は約4万5000円程とみられているが、同時に近隣の丸ビルが建て替えを実施するため、その動向次第になるという。