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噂のスクランブル 臨海に移転のフジTV 日本TVは汐留に本社 移転跡地でも鎬を削る放送大手2社

1997.04.01 15:00

 今年1月の「亀井発言」に引き続き、先日には自民党行政改革推進本部総会にて「99年度廃止」案が決定されるなど、ここへきて何かと周辺が騒がしい住宅・都市整備公団(東京都千代田区)。その公団と放送業界との関係がいま注目されている。
 この3月に臨海副都心の新本社ビルへ移転したフジテレビ。同社では新宿・河和田町の旧本社跡地(約2万6000平米)を公団に売却する方針を発表した。現段階では本契約がなされていないため、金額やその他詳細は不明だが、公団では今後、マンション等の高層住宅用地として再開発を行っていくようだ。
 一方、話は前後するが2月3日に国鉄清算事業団の汐留地区(1万5655平米)を本社用地として1010億円で落札した日本テレビでも、公団絡みの話が持ち上がった。同社は千代田区と新宿区に合計約5万5000平米の土地を保有しているが、これを公団に売却する、というもの。
 この話の出所は株式市場。同社は、この落札地にホテル等を含めた高層ビル建設を計画しているが、それに伴う総事業費は落札金含めて約2000億円と言われており、これは同社の総資産に匹敵するという。そのため同社の資金負担は非常に重いと見られていた。そこにふっと湧いた売却の話。前述の2つの土地の推定時価が約2000億円と言われているため、こうした話が飛び出してきたようだ。これについて公団、日テレとも現時点では否定している。現在視聴率4冠王でトップを快走する日本テレビ。會て此の世の春を謳歌した、フジテレビが意外なところでも鎬を削っている。はたして高額売却に持ち込むのは、何れの放送局か。




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