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<トップインタビュー>「脱気システム」による赤水防止事業に特化 築10年のマンション設置後6日目に効果 東日本制水 社長 加藤昭氏

1997.04.21 10:58

―御社は赤水防止システムを販売していると伺っていますが。
加藤 脱気システムを活用した製品を扱っています。赤水は、経年化したビルには付き物ですが、放っておくとトイレやシンクに茶褐色の染みが付着し、取れなくなります。テナントからの苦情にもあり、移転理由にもなりかねません。
―赤水は、人体に何か影響があるのですか。
加藤「錆び」自体は大丈夫ですが、保健所の水質基準検査は不適となります。赤水が発生すると、調査項目のうち色度と濁度に異常が見られます。味に変化がおきたり、基準以上に検出されれば飲用には適さないと規定される一般細菌の発生が活発にもなります。
―脱気システムとは。
加藤 赤水の原因となる酸素を水道水中から抜くことにより赤水を防止するものです。薬剤などで水質を替える事なく腐食要因を除去する方法です。
―具体的にどのような方法ですか。
加藤 ビル屋上の高置水槽の脇下に脱気タンクを設置して水を引き入れ、減圧して真空状にすることによって水道水中の酸素をタンクから抜き取ります。蛇口から水が給水される際には空気に触れるため、通常の水道水に戻ります。
―コストは。
加藤 最近、施工した例では、築10年を経過した4階建て15世帯の賃貸マンションにおいて、同システムが採用されましたが、合い見積もりになりまして、パイプライニングが350万円、当社の脱気システムが工事費込みで220万円でした。パイプライニング工事は、経年化すれば、再度工事が必要となることなどから脱気システムの採用を決めて頂きました。
―効果はどのくらいで現れるのですか。
加藤 このマンションの場合ではシステム設置後、6日目には赤水が止まり、水質検査で水道法水質基準に適する水になっています。 




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