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<猛烈男>試しに使った防水剤が今では事業の柱に成長

1997.04.21 11:07

 環境美健の今井周二社長は、海外から「これは」と思うような商品のパンフレットが届けば直ぐに自ら出発し、買い込んでくる。そして国内で特許をとって、足場固めを欠かさない。
 今でこそ、同社の主要商品にもなり、建設業界にもその商品名が知れ渡り、あらゆる現場で使用されている防水剤「ラドコン7」は、今井社長が販売し始めた10年前、友人がたまたまサンプルを持ってきたことがきっかけだった。当初は今井社長も、「着色させずにコンクリートに浸透して何年も防水機能を保つ」というフレコミに疑いを持ち、信用せず倉庫に放り込んでいた。あるマンションで漏水があり、「色を付けたくない」という要望があったので、ためしに「ラドコン7」を使用してみたところこれが効いた。驚いた今井社長は直ぐにアメリカへ飛んだ。タッチの差で日本の総販売元の権利は今井社長の手に。
 「ベンチャー企業はメーカーで工事屋であるという姿勢と、特許を持つことが大切」
という方針のもとに、世の中に無いものを捜して情報を収集し、問い合わせがあったときに備えている。一度は空手形をくらって2000万円の赤字を計上したことはあるが、リストラや顧客の掘り起こしで1年内に戻すなど、そのモーレツぶりはベンチャーならではだ。




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