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イトーヨーカドーをキーテナントとして かんべ土地が駅前本社ビル建設 品川・大井町地域の再開発事業を推進
1997.05.21 13:43
JR大井町駅周辺の再開発事業に注力する、かんべ土地建物(東京都品川区)ではこの程、同駅西口に大手スーパーマーケットのイトーヨーカドーをキーテナントとする「かんべ土地K-1ビル」を竣工させた。同地区の再開発事業の一つである、同ビルの概要を紹介する。
JR大井町駅西口前4636.09平米の敷地に建つ同ビルは、地下4階、地上8階建て、延床面積は3万8053.14平米で、かんべ土地本社ビルとして建設されたもの。イトーヨーカドー大井町支店をキーテナントとし、その他品川区民ギャラリーが入居する。イトーヨーカドーとの詳しい契約については明らかにしていないものの、10~15年契約で固定家賃制を採用しているも央。総事業費はおよそ90億円
もともとイトーヨーカドー大井町店は、駅の反対側にある「かんべ土地K-15ビル」(昭和44年竣工)に入居しており、K-1ビルへの移転という形をとった。これにより売場面積が約5倍にアップ、4月16日のオープン以来、多い日で1日約9万人の来客があり、予想を上回る盛況となっているという。
かんべ土地は、昭和5年の創業以来、一貫して大井町地区に特化した事業を行っている。同地区は平成12年に臨海副都心線の「大井町駅」が開設する予定で、これが完成すれば東京テレポートタウンと内陸部が結ばれることとなる。そのため、同地区はその重要な拠点として、「今後飛躍的な商圏の拡大が見込まれる」(神戸三元取締役営業部長)という。
同社は、地場の不動産会社として、今後も地元の大井町周辺の開発事業に注力していく方針。今年度中には、同駅近くに8階建て延べ床面積約1万1500平米のオフィスビル「K-7ビル」を着工する予定だ。
また、約10年前品川区を中心に計画が進められていたものの、諸事情頓挫していた、同駅から大崎駅にまたがる約20万平米の土地(JR車倉場)開発事業(オウレイス構想)も復活する兆しを見せている。こちらも今後の動向が注目される。