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<トップインタビュー>代官山再開発を受注 手作業による解体が中心 近隣への配慮でクレーム無しの工事実績 ナリタ解体工事 代表取締役 成田貞信氏

1997.05.21 13:48

―御社は解体工事に25年の実績があるそうですが。
成田 当社は昭和49年に創立しまして、以後10年間は大規模な解体工事を中心としていました。バブル時は、物販店舗や、当時2~3年おきに行われていたデパートの内装改修が中心でした。しかしこのところ、ビルの原状回復用途も含め内装改修は減っています。
―影響は大きいですか。
成田 今までは、かってと同じように大規模な解体工事を部分的に受注することが多くなっています。売り上げの面では、バブル時と大差なく2億円前後です。受注工事件数は増加していますが、受注高は減少しています。
―解体というと、一般に単価はどの程度ですか。
成田 物件の形態や立地によっても違いますし、一概に算出しにくいのが実情です。平米当たり10万円から1000万円まで様々です。内装工事など、当社が得意とする、機械を使用せずに人力で解体する工事の単価は一般に高くなります。
―現在、御社が受注している現場はどこですか。
成田 鹿島建設の孫受けですが、代官山の再開発や、川口市の長谷工のマンションの建築現場などです。
―建築業界はクレーム産業と言われますが。
成田 建物の建設は、どうしても周囲に迷惑をかけてしまいます。しかし、当社は今までクレームを受けたことがほとんどありません。ある工事現場で当社が工事している期間だけクレームが無い、ということもありました。
―何故ですか。
成田 近隣に挨拶に行くのは勿論ですが、例えば、その際に洗剤などを持参して、「もし、埃などで汚れたらこれで洗って下さい」とユーモアを持って接するなど、コミュニケーションを図ることに注力しています。また、近隣の店舗には、当社の連絡先を教えるなど、クレームに対し誠意を持って対処することを先方に伝えておきます。




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