週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

<トップインタビュー>入居テナントの要望反映して設備導入 移転費用等オーナー負担で建替 番町フィフスビル オーナー 諸亨氏

1997.06.02 11:07

―現在のビルは、いつ竣工したのですか。
諸 2年前に建替えをし、完成しました。
―以前からこちらにビルを所有していたのですか。
諸 昭和33年から、麹町のこの場所に父が、マンションを所有していました。41年頃にはオフィスとして利用する会社が利用しだしたため、内装を替え、60年には居住者はいなくなりました。
―いつ、建替えの決心を。
諸 バブル崩壊後、テナントが撤退を始めた頃です。ピーク時には、坪当たり3万6000円だった賃料を2割下げ、3ヵ月後にはさらに1割下げましたが、結局5部屋が空室となりました。父が亡くなり相続税の問題も発生したため、経年化したビルを土地を含めて売却する事も考えましたが、賃借権がついている物件が買い手がなく、建替えることに決めました。
―入居テナントにはどのような対応を行ったのでしょう。
諸 移転費用と内装費は当方で負担するので、再入居を提案し、5社中3社が承諾しました。新築ビルの設備についても、テナントに希望を聞きました。
―どういった設備への希望がありましたか。
諸 OAフロア、光ファイバーケーブルの敷設、電気容量の増設、加湿器の導入などで、テナントが希望した設備はほぼ導入しました。
―サービス徹底をされているようですが。
諸 階上に居住していますので、ビル管理業者には任せず、きめ細かい対応をしています。また私のいない昼間は妻がテナントのフォローしています。テナントサービスは、クレーム時の対応の迅速さが重要です。エアコンの故障や給排水のつまりがあっても、すぐに対応できれば、苦情にはなりません。




週刊不動産経営編集部  YouTube