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二子玉川再開発 延床面積約35万平米の一大事業 高層住宅追加で都市計画決定後着工へ 3街区あわせて7万平米のオフィス供給

1997.08.21 16:39

 ビル市場で唯一活況と言えるのは、地方自治体等が主体となって行われる再開発事業だ。同事業は、自治体が中心となるものもあれば、民間活力が導入されて行われるものもある。二子玉川周辺で計画されている事業は商業、事務所、高層住宅を含めた、大規模再開発だ。その最新概要をレポートする。
 東京都世田谷区二子玉川東地区で、第一種市街地再開発事業が行われる。同事業は、現在東急グループがアミューズメント施設「ナムコ・ワンダーエッグ」の暫定利用を進めている土地を含めた、Ⅰ地区からⅢ地区までの11.2ヘクタールを再開発するもので、延床面積約35万平米に及ぶ規模だ。
 Ⅰ街区は東急新玉川線の二子新玉川線の二子玉川駅ビル4000平米を含む商業6万2000平米、業務4000平米の合計10万6000平米にあたる。業務棟は地下3階、地上16階建てのビルになる予定。Ⅱ街区は商業4万9000平米、ホテル3万平米など、合計15万1000平米の規模。地上31階建のホテル・業務棟は、5階から23階までがオフィスフロアになる予定だ。Ⅲ街区は商業1000平米と住宅9万3000平米の供給となる。
 二子玉川の再開発構想が策定されたのは昭和53年で、当時の計画には、そのため、商業施設などの利用から発生が予想される交通量を処理できないなど、都市計画上の問題があり、計画の見直しを進めてきたもの。今回、高層住宅800戸を計画に追加することで、来秋にも都市計画が決定し、まもなく着工の許可が得られる見込みだ。二子玉川は、下北沢・三軒茶屋と同様、世田谷区の広域生活拠点として位置づけられる。将来的にはビジネスエリアとしても展開する注目地域だ。




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