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三井不動産 総事業費は120億円規模 中央区室町の三井二号館増築工事が本格化
1997.10.21 10:40
三井不動産(田中順一郎社長)では、同社の所有ビル等を中心に、大規模なリニューアルを実施している。特に今年5月からは、中央区日本橋室町所在の、「三井二号館」の増築工事にも着手、工事が本格化している。
三井不動産がリニューアル工事を進める三井二号館は、”室町一構”と称されている一面に建つ、自社所有のオフィスビルで、ここには現在、本社機能を置く「本館」、「本館増築部」、「二号館」、「東三号館」、「中三号館」の5棟の建物が立ち並ぶエリアだ。
同社ではかねてより、”室町一構”再開発計画に基づき、「東三号館」、「二号館」をそれぞれ、昭和48年、昭和60年に建築している。今回の本工事は、同計画の一環として、昭和14年竣工以来、57年を経過した「中三号館」を解体して、「二号館」を増築するもの。
また、増築に合わせて、現「二号館」部分のリニューアルも実施される予定で、現在の延床面積、2万8455平米の「二号館」は、増築工事が完成すると、延床面積4万5871平米と、約1,6億の規模に生まれかわる。
因に、最新鋭のオフィスビルへ向けて、リニューアル工事が完了するのは、平成11年4月の計画。また、「中三号」の解体工事費、現「二号館」のリニューアル工事費、テナント移転費等を含む総事業費は、約120億円を予定している。
なお、本工事の着手に当たり、現在「中三号館」に入居している各テナントは、「二号館」を中心に同辺ビルへ仮移転しており、工事完了後は、二号館増築部に正式移転することになりそうだ。
現在の”室町一構”と称されている一画は、古くは越後屋本店や、三井両替店などもあった、三井家、三井系企業のゆかりの地。そして、ここでの再開発が最初に計画されたのは、昭和42年のことだ。
当時の主な建物は、「本館」(昭和4年竣工)。旧「二号館」(大正元年竣工)。「北三号館」(昭和2年竣工)。「中三号館」(昭和14年竣工)の5棟。当然ながら、これらの建物は、築年数の経過から老朽化が激しく、三井不動産では順次建て替えを図る為に、計画の策定に入り、昭和43年、以下のマスタープランが決定されたもの。
再開発計画マスタープランでは、第一段階で「東三号館」を建築、第二段階では、旧「二号館」、「西三号館」、「北三号館」を解体し、「二号館」を増築する。
つまり、昭和45年から開始された再開発は、今回の「二号館」増築工事により”室町一構”再開発計画の一区切と言う事になる。