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噂のスクランブル 頼みの綱の”外資系”に感じる商習慣のギャップ
1997.12.01 16:39
「根回し」は一切なし突然のキャンセル ビル市場回復の牽引者だが…
来年竣工の小田急サザンタワー(西新宿)にマイクロソフトの大規模移転が固まったことに象徴されるように、今やすっかりと大型ビル好調の牽引役となっている外資系企業。景気後退に苦しむ日本企業を尻目に、円安で相対的に賃料負担が軽くなっていることもあって動きは活発だ。この先1~2年内に予定される大型再開発ビルの関係者はこぞって外資詣でを繰り返しており、中には「英会話熟練者をビル営業部に集めている」「保険関係を外資系に切り換えている」といった、まことしやかな噂話も聞こえてくる。
金融ビッグバンの一足先に外資の波がビルマーケットに及んでいるといった風だが、一方で外資系にも誘致の上で難しい点もある。
例えば「ゾーン空調でなくてはならない」「トイレの数の男女比にこだわる」etc…。しかし、これ以上にやりにくいというのが、あくまでドライなビジネススタイル。
例えば彼らには「根回し」という概念はない。あるオーナーがぼやく。
「日本支社の支社長をさんざん時間をかけて接待し口説いて、やっとの思いで狩申し込みをもらったと思ったら、わずかその2日後に”本国(の首脳)がNOと言っている”とすげなく断りの連絡が。当然、交渉の過程で本国に内諾をとってくれると思ったんですが甘かった…」
ビル業界にもグローバル・スタンダードが必要ということか。