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<トップインタビュー>無視できない所有者責任 耐震診断でユニークな料金システム採用 契約金として総費用の20%
1998.03.21 10:54
ー耐震診断でユニークな料金システムを始めたそうですね。
カム一級建築士設計事務所社長 志村英夫氏 耐震補強の必要性は認識していても診断料金が高額なため二の足を踏んでいるオーナーさんは多いと思います。またせっかく診断しても建替え以外に手はないとの結果が出た場合は、診断費用がムダになってしまうという声も耳にします。当社の場合、診断を依頼された段階で簡単な見積もりを行い、その20%だけまず契約金として頂きます。建替えか補強かの方針が決定した段階で、建替えの場合は当社が設計作業を請け負うことを前提に残金を設計費用に組み込み、補強の場合は残金を補強指示・工事管理料として頂きます。
ー診断費用の目安は。
志村 構造や状況によりますが、鉄骨造のビルで一次診断が75万円程度からです。つまり契約金は15万円程度ですみます。
ー御社は耐震診断研究会の幹事会社ですね。
志村 一級建築士4名、建築構造技師2名、応急危険度判定士1名で構成しています。応急危険度判定士は阪神大震災後に作られた震災後の建物の安全度を判定する専門家です。
ー大震災から時間が経ち、世間の耐震意識も薄らいでいますが。
志村 平成7年に耐震改修促進法が施行されたことで、今後震災が発生し第三者に被害が及んだ場合、ビルオーナーは所有者責任を追求されかねません。最近不良債権ビルの売買も盛んですが、その際にも後のリスク回避のために耐震チェックは不可欠だと思います。