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不動産シンジケーション協議会 平成11年度要望事項まとまる 不動産投資顧問業法制化など求める

1998.08.21 14:00

 不動産シンジケーション協議会(理事長・田中順一郎三井不動産会長)はこのほど不動産特定共同事業の規制緩和や不動産有効利用促進の誘致策など、同協議会の平成11年度へ向けての要望事項をまとめ、関係各省庁に提出した。
 要望書では不動産特定共同事業の規制緩和と税制の見直し、さらに不動産有効利用促進のための誘致策について、目下の緊急課題である不動産流動化および有効利用促進の観点から、抜本的な改正を行うべきとしている。
 中でも今回は「不動産投資顧問業の法制化の推進」。「アセットプール型事業商品の創設」などの要望事項を初めて取り上げ、これら諸政策による不動産特定共同事業の推進が、我が国の不動産投資市場の整備に貢献するものとして、その重要性を強調している。
 さらに事業参加者(特定投資家)の拡大を図る為、厚生年金基金や簡易生命保険、証券投資信託および証券投資法人、民間都市開発推進機構、住宅都市整備公団をそれぞれ不動産特定共同事業法上の特定投資家に位置付けることや、同事業を日本開発銀行の融資および債務保証の対象とすることなどを求めている。
 また、同事業に係る一般投資家向け私募における事業開始時期制限の撤廃も挙げている。
 一般税制面では、バブル期の土地税制を是正する必要があるとの認識に基づき、「土地取得借入金利子の損益通算本則復帰」をはじめ、「事業用資産の買換特例に係る譲渡益課税の繰り延べ率100%への引き上げ」や「居住用財産の買換特例用件の緩和」「土地固定資産税についての実行税率0.4%とする制度の見直し」などを要望事項として挙げている。
 この他、不動産有効利用促進のための施策として、「信託業法における不動産特定共同事業者の不動産信託等の届出制導入」と「特定目的会社の証券発行による特定資産の流動化に関する特定目的会社(SPC)へ不動産を譲渡した場合における譲渡益課税の繰り延べ」の2点を求めている。




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