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ダイエーが東品川四丁目開発から撤退 平成13年度完成に向けた計画は見直しへ

1998.09.01 16:20

総事業費600億円で取得予定の業務棟等は白紙に戻る
 ダイエー(本社・神戸市中央区)が、昨年9月発表し、参画推進していた日本たばこ産業(JT)と鹿島建設が共同で開発する、「品川区東品川四丁目第一種市街地再開発事業」の、業務棟取得を見送る事になった。JTが鹿島建設と共同で再開発する、東品川4丁目地区は、もともとJTの品川工場跡地だ。また同社が3年前に本社ビルを建て替える際に仮オフィスとしても利用されていた。
 JTでは昭和60年の民営化以降、合理化の為に全国に点在するたばこ工場を34ヵ所から25ヵ所までに削減。こうした一環政策の下、東品川4丁目の遊休地についても、多角化を推進する上でも大規模な再開発を実施することになったものだ。
 工期は第1期と第2期に分け、第1期計画は平成13年度完成に向けて既にスタートしている。尚、第2期工事は、平成17年に竣工を予定している。計画では、第1期工事が敷地面積約6万300平米(JT所有・約5万3400平米、鹿島所有・約6900平米)の敷地に(高さ100メートル程度)業務棟2棟(高さ40メートル程度)商業等を1棟。(高さ100メートル程度)住宅施設2棟。さらに約2000台程の駐車場が建設される。その内、ダイエーが取得を発表していたのが、業務施設等のB棟。さらに同社が核テナントとして出店を予定しているのが商業施設棟だ。
 因みに当初予定していた業務棟は、延床面積約10万平米。地下2階、地上22階の計画。また商業棟は地下1階、地上3階、延床面積は約3万5000平米になる模様。尚、第2期工事には、業務、宿泊施設を含む(高さ100メートル程度)施設が2棟と、(高さ100メートル程度)宿泊施設が1棟。さらに駐車場約400台が建設される。
 品川区東品川4丁目地区の再開発は、臨海副都心の新駅開業に合わせて、住む人と働き暮らす人々が共生する「街づくり」を目指して開発される予定であった。
。  第1期の工事は今年秋には着工の予定であったが、ダイエーの撤退に伴い開発計画は延期される見通し。また、第1期工事の総工費約1000億円の内、ダイエーは約600億円を予定していた為、JTの開発計画そのものも変更される可能性もある。




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